トヨタ自動車は昨秋の東京モーターショーで、車両の骨格部分に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使った試作車「1/X(エックス分の1)」を披露。車両重量をハイブリッド車「プリウス」のほぼ3分の1の約420キロまで軽くし、来場者を驚かせた。まだCFRPの価格が高く、実用化には時間がかかるが、トヨタは「軽量化のカギになる素材の一つ」と研究開発に力を入れる。
神戸製鋼所は年内に、自動車の屋根などに使われるアルミ製パネル材を生産する栃木県内の工場の能力を年産4000トンに倍増する。投資額は約8億円。アルミの重さは鉄の3分の1で、軽量化ニーズの高まりから、需要は年約2割伸びている。鉄鉱石などの原材料価格高騰で、鉄鋼事業は大幅なコスト高となり、先行き不透明だが、同社は「非鉄事業にも力を入れ、収益の安定化を図りたい」とする。
鉄の4分の1の重さで、強度が約10倍の炭素繊維の需要も急増している。炭素繊維のシェア世界首位で、航空機分野でも先行する東レは昨年6月、名古屋事業所(名古屋市)に炭素繊維の研究開発拠点を開設し、トヨタなどと共同開発を進めている。主力の愛媛工場(愛媛県松前町)にも、年産4000トンの大型設備を導入する予定だ。帝人グループの東邦テナックスも4月、静岡県内の炭素繊維の生産ラインを増強。三菱レイヨンも10年度末までに国内生産を約2割増やす計画だ