2006年01月09日

05番外最終回・VOCALIST

 05総括もいよいよ最終回。明日からは週間チャート速報が出るのでいつものサイクルに戻ります(というか、ちょうどネタ切れの時期に上手くおさまってくれてほっとしてます)。
最終回は05年の個人的ベストアルバム。

 一番よく聴いたのが結果的にこれだったということで、徳永英明の「VOCALIST」にしました。実際、過去のオリジナルアルバムよりも売上も若干巻き返し、長くチャートに入っていたこの1枚。他にもカバーアルバムはいくつか出て聴きましたが、これが一番カバーとしての必然を感じたかな。

 全体的には前作のセルフカバーの延長で、ピアノ、アコギ中心の最小限のアレンジにボーカルが乗っかる形なんだけど、「涙そうそう」「翼をください」のバンドサウンドには静かながら確かな力を感じました。また「ハナミズキ」の詞が理解できたのもこの曲のおかげ。選曲的には彼のルーツというよりも、彼に歌わせてみたい曲をまわりが選んだという印象だったけど、中島みゆきとユーミンと竹内まりやを同列に並べて違和感がない(しかも男性ボーカル)のは、やはり彼の声の魅力によるところでしょう。

 また、前にも書きましたが(こちら参照)、もやもや病から復活したとはいえ、今後も病と向き合っていかないといけないアーチストのひとつのあり方として、彼は誰の後でもない道を切り開いていっていると思います。声量や高音の伸びなど、人気のピーク時に比べれば衰えは明らかだと思いますが、それをカバーして余るものを感じました。

2006年01月08日

05番外2・バンドユニット編

 昨日に続いて今度はバンドユニット編。比較的新興勢力の人たちから選びました。

●スキマスイッチ
 彼らの「全力少年」はタイトル賞をあげたいくらいツボにハマりました。でも「雨待ち風」のような名バラードが書けるのも強み。J-POP救世主となるか。
●レミオロメン
 「粉雪」ですっかり大アーチストになってしまった彼ら。個人的には3ピースなのに4つ打ちの名曲「南風」を出した時点で、化ける可能性を感じました。あとはバリエーションか。
●FLOW
 「DAYS」「Life is beautiful」など、メロ重視の曲には結構いいもの持ってると思ったんだけど期待ほど伸びず。ヒップポップの今後を占う上で彼らには頑張ってほしい。
●サンボマスター
 やはり電車男主題歌「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」の瞬発力だけだったのか、真価が問われる今年。このくらい型破りなバンドもひとつくらいあっていいと思うんだけど・・・
●コブクロ
 最後になりましたが、デビュー当時から応援しておりました。祝大ヒットですが、個人的には昨年の2曲より好きな曲がたくさんあるだけに少々心境複雑。

 最後の1日はアルバム編行きます。昨年最もよく聴いたアルバムということで素直に選ばせていただきました・・・

2006年01月07日

05番外1・歌姫編

 昨日までに書いた10曲以外にも、アーチストとして気になった存在、惜しくも選にもれた曲が実は結構ある。今日はまず女性編この5人。

●一青窈
 昨年出したシングル3作はどれも意欲作だった。「ハナミズキ」で息を吹き返したあと、どうなることかと思ったが、アルバムのセールスといい今度は本物だと思う。
●元ちとせ
 あと1ヶ月遅かったら「語り継ぐこと」、ベスト10に入っていたと思う。柔らかくアレンジされたポップスを歌うことで際立った彼女の声。今年の本格始動が今から楽しみ。
●中島美嘉
 ロックアレンジの「GLAMAROUS SKY」、NANA名義とはいえ新境地で結構好きだった。なのに音楽番組では一度を除きアコギVer.にすりかえ。今でも納得がいかない。
●YUKI
 やや使われすぎ、な感はあったが、昨年好感度のかなり上がったアーチストのひとり。今年はどんなジャンルに挑戦してくれるんだろう。
●YUI
 一発で消えるかと思いきやしぶとく残った。女弾き語りの席は今ちょうど空席だし、何よりあの目力に、まだまだ内に秘めた可能性のようなものを感じる。

2006年01月06日

05総括10・ココロノコンパス

 05年のベスト10曲も最後の1曲になった。最後くらいは個人的な好みで入れてもいいかな、ということで、下期の曲が好くなかったのでこの曲に。(コブクロ他入れたい人がいっぱいいたんだけど・・・)槇原敬之が昨年出した2曲のうち秋に出した最新シングル。

 オリジナルアルバムこそ出さなかったものの、カバーアルバムにシングル2枚を聴く限り、サウンドおよびメロディーメーカーとしての彼は完全復活したといっていいと思う。この曲も無国籍風のサウンドに力強いメッセージが響く。最近ミディアムスロー系が多かったので、ひさびさのアップテンポというのも嬉しかった。声も全盛期のそれにほぼ近づいている。

 それだけに、あえて一言加えるなら、詞の説教臭さ、何とか取れないものか。例の事件を引きずっているとは思えないが、事件以前とは違う場所に着地してしまった以上、彼に繊細緻密なストーリーテリングを求めるのは無理なことなのかな、と考えてしまう。カバーアルバムも「ヨイトマケの唄」や「ファイト!」など、公明正大な歌を歌うほどハマりすぎて聴くのに正直疲れるのだ(その意味では「traveling」くらい歌詞もアレンジもぶっ飛んでる方が逆に気持ちよい)

 今年は早やアルバムも控えているらしい。最後も男性ソロアーチストになってしまったが、J-POP復権のためにもなくてはならない才能、期待したいと思う。

 明日からは番外編。書ききれなかったアーチストについて、今年の展望とまとめて書きます。

2006年01月05日

05総括9・Dreamin`On

 この曲は厳密には一昨年11月発売なので、05年のベスト10に入れるのはためらったのだが、年初はこの曲にどっぷりつかり、また彼らのブレイクを心から応援していたのであえて入れたい。D-51の2nd「Dreamin' On」である。(あえて書くが大ヒットした「NO MO RE CRY」ではない)

 この曲には今の若者がきっと抱えているであろう不安と夢が微妙なさじ加減で詰まっている。そしてデビュー曲「TOP OF THE SUMMER」で南国・沖縄出身であることを打ち出した彼らにとっても新機軸のマイナー曲調だった(セールス的には1stほどいかず)。勝負曲と見ていた次の曲が、まさに「ごくせん」ブームにのって大ヒットした。見た目的に近かったCHEMISRTYとは違った形のデュオのあり方を示してくれるのでは、と期待もしたものだ。

 ところがそのセールスが1stアルバムにつながらず、アルバムのテイストを引き継いだ次のシングル「ハイビスカス」では思いきりコケてしまう。最新曲「ALWAYS」も、映画「三丁目の夕日」の大反響とは裏腹にぱっとしないままチャートからいなくなってしまった。爆発的ヒットが出てしまうと、そのイメージに縛られてしまう格好の例になってしまった。

 今年の彼ら(制作サイド)は難しい舵取りを強いられるだろう。コブクロ、WaT・・・タイプこそ違えど、結果的にデュオ豊作となった年を生き残るのはかなり難しい。とりあえず次の一手に期待したい。伸びしろはまだまだありそうなふたりだから。

2006年01月04日

05総括8・さくら

 悔しいけれど、昨年の代表曲としてこの曲を入れないわけにはやはりいかないだろう。ということで8曲めはケツメイシの「さくら」。実は今年のベスト10曲に彼らを入れるのは「花鳥風月」についで2度め。ヒップホップは正直苦手な僕ですが、彼らの曲は大衆ウケと自分たちの音楽の本流の接点を微妙にうまくついてくる。その集大成(おそらく彼らもそういう意識があるんじゃないだろうか)がまさにこの曲だ、と改めて感じた。

 彼らの曲には、強引に英語で韻を踏んだり洋楽テイストのサウンドやフレーズを無理やり持ってくるということがほとんどない。むしろテイスト的には「和」の部類に入り、一昨年の「君にBUMP」のような曲の場合は、逆に古き良きを確信犯的に狙ってくる(PVに羽賀研二を持ってくるあたりのさじ加減はプロの仕事!)。「さくら」の場合も、PVとのコラボは見事なくらい効果的だった。あれと冬ソナのヨン様の吹き替えで、萩原聖人のイメージがどれだけ上がったことか(笑)。キャッチーなサビと容赦ないラップ部分を両立させ、アルバム100数十万枚にまでつなげた今年の活躍にはさすがに驚いたが。シングルを聴いてアルバムを買った人のうち、どれだけの人がアルバムについていけたかは、正直未知数だと思うのだが(苦笑)。

 彼らもまた今後、勝手に出来上がっていくパブリックイメージと闘っていくことになるのだが、次あたりに唖然とする超エロエロ路線の曲を持ってきて「はい、おしまい」にしてしまいそうな気がする。そのくらい酸いも甘いも知ってそうな感じだったら、同じ曲を作っている人間としても尊敬する。かなり冒険がいることだけど。

2006年01月03日

05総括7・風花

 男性ソロ不在のことを昨年書いたが、個人的に頑張ってたなあ、と思うアーチストがもうひとりいる。3曲のシングル+ベスト盤発売と精力的なリリースが続いた森山直太朗。髪形を変えて人相が悪くなり、その歯に着せぬ言動から好き嫌いが分かれそうなアーチストだが、シングル3作とも予想以上の出来だったと思う。

 これまで「生きとし生ける物へ」のような壮大な超大作的作品が多かった彼ですが、「時の行方〜序・春の空〜」ではさくらとはまた違った季節感、「小さな恋の夕間暮れ」では小粋な恋愛世界を、そして「風花」ではNHK朝ドラ主題歌にふさわしい透明感を演出し、新境地を開いた1年だったと思う。特に「風花」では曲の半分くらいがファルセットで、自分の声の魅力を最大限に生かした曲づくりがなされていたように感じた。

 個人的には、ベスト盤についていた「雲版」のような、ギター一本で弾き語ったような、あまり創りこんでいない作品も今後聴いてみたい。こだわりのありそうな人だから、多くの作品は望めそうもないが、もう「森山良子の息子」の肩書きは不要。立派なアーチストになったもんだ、と感じた。

2006年01月02日

05総括6・ファンタスティポ

 05年中に終わらなかった05年総括(笑)。一応あと5曲発表があるので、最初の週間チャートがあるまでの間紹介していきたいと思います。

 昨年も止まらなかったジャニーズ旋風。11月に発売された修二と彰が年間シングルトップ、SMAPも上位に3曲をランクインさせるなど、まったくスキなし、という印象でした。そんな中で一時僕のヘビーローテーションになったのがトラジ・ハイジのこの曲。同名の映画主題歌ということで、KinKi・剛とTOKIO・国分による期間限定ユニットとして発表されましたが、実はこれが伏線にあって、修二と彰の成功があったんじゃないかと個人的には思うのです。

 役柄をユニット名にしたこと、ちょっと懐かしめのサウンド(内容こそ違えど)、そしてフィクション度の濃い詞の世界。しかもこの曲の場合、国分がうまく剛のハモリ側に回っていて、音楽的にもさりげなく高度な技を使っているな、と感じました(剛の歌の個性が逆に前に出ていた)。よく聴くと詞の内容には意味不明なところもあるのですが、何か素晴らしい世界に連れてってくれる感があるんですよね、この曲には。

 ジャニーさんがそこまで意図的に仕組んでリリースしていたとしたら、まさに恐るべし、です。今年はどんなユニットが飛び出すのやら。

2005年12月29日

05総括5・夢の真ん中

 今年も男性ソロ冬の時代は終わらなかった。オリコン年間シングルチャートの男性ソロ1位はなんとマツケン(その次は氷川きよし・・・)。アルバムは平井堅が実力を見せたものの、あまりにも人材が少ない。ブレイク当時から、見るからの人の良さと芸能界の不親和感から一発屋の危機をおそれていた河口恭吾も、今年はダイハツ・ムーヴカスタムで尾崎豊の「I LOVE YOU」を歌う人で終わってしまった。そんな彼の一曲入魂シングル「夢の真ん中」をあえて推したい。いろいろ聴きなおしたが、覆面Zにとっては今年1番の曲になるかもしれない。

 この曲は映画「MAKOTO」主題歌。「桜」の静のイメージが強い彼の歌だが、珍しくこの歌は静と動のくっきりとした対比を見せている。特に「サヨナラをくりかえして僕らは」と何度も歌われるサビは、彼の柔らかい地声とファルセットの微妙な音階がしっかりしたバンドサウンドにのり、それまでのイメージを覆される思いだった。穏やかになれる曲ではなく、徹底的に切ない曲だ。聴くにはそれなりに体力が入る部類、と言う意味では、彼の本流の曲ではないのかもしれないが。

 彼は一方でLeadやKinKi Kidsにも作品提供するなど、ソングライターとしての評価も高い。声と作品の良さが再びタイミングよく評価されれば、再ブレイクもありえるのではないかと思う。いや、苦労人で遅咲きの彼に、そう早く第一線から退いてほしくない。まだの人は騙されたと思って聴いてほしい1曲だ。

 なお、あと5曲あるのだが、都合により来年回しにします(どうせ新年はネタないしね。)あの曲とあの曲・・・まだ入れる曲、正直なやんでます(^^)

2005年12月26日

05総括4・TAO

 今年も多くのグループやバンドが解散していった。day after tomorrow、ZONE、ザ・ハイロウズ・・・そんな中、突然の解散発表に驚いたのがDo As Infinity。ここ2年ほど新作のペースは落ちていたものの、2人での活動も軌道に乗ってきていたと思われていただけに、なぜ解散?と腑に落ちない部分が多かった。しかも、(ここのブログでは酷評することの方が多かったのだが^^:)解散発表後、彼らのファンが意外にも多く、その思い入れが深いことにも二重に驚かされた。そんな時に聴いたのが最後となったシングル「TAO」である。

 中国語で「道」を表すタイトル。主人公は分かれ道でそれぞれの荷物を分け、自分たちが信じる道へと別れ進んでいく。その後姿を消えるまで追いかける主人公。ふと彼らの現在の姿にだぶった。彼らの歌で、歌詞がここまでノンフィクション的に感じられたのは初めてだ。音は彼らお得意の硬質的&大陸的なサウンド。

 シングルではストレートなロックにもシフトしたりしていたが、彼らの本領発揮の場所は「楽園」やこの曲などの硬質的な、または「柊」のような憂いを持ったサウンドではなかったかと思う。ボーカル・伴の活動はまだ長期的には見えて来ない状況だ。バンド、ユニットの解散はいつの時代も何かの終わりを告げられているようでさびしい。来年の彼らの再出発が充実したものになることを心から期待したい。
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3位飯田圭織
7位菊地美香
8位Kalafina
9位増田俊樹