彼にとっては、それが当たり前なのだ。
なにせ、大好きなスターたちは、みんなそうやっているのだから。
私は安心した。
これだったら、この先人生で辛いことや困難にブチ当たっても、きっと悩んだり暗く落ち込んだりせずに、歌と踊りと気の利いたジョークで、己の葛藤を表現することだろう。
まわりの目など気にする必要はない。
彼にとっては、どんな場所でもそこがステージなのだ。
さて、そんな息子だから、人前に出て注目されることが大好きである。
先月行われた音楽教室の発表会でも、立派なコンサートホールの舞台に親の引率なしで颯爽と登場し、きちんとお辞儀して歌と踊りも完璧にこなした。(しかも、一曲はフランス語!)
二歳児とは思えぬ度胸の据わり具合に、我が子ながら感心した私。
これなら私の手を離れる日もそう遠くはない。
私も、思ったより早く自由になれそうだ。
彼のもつ翼は、大きく美しく、そして力強い。
太平洋を、ユーラシア大陸をも、軽々と越えてゆくだろう。
はばたけ、タイカン!!
私も負けないぞ。
