2012年01月10日

うつ病の捉え方について

 今ではドラマや映画で取り上げられるなど、数年前に比べると「うつ病」に対する世の認知度は随分高まったように思える。
その代わりといってはなんだが、特にネット上では、冗談の中で安易にうつ病という言葉が用いられている様子を目にすることも多くなった。
うつ病の症状や原因が、患者の精神状態に深く結びついているという印象から、うつの症状を訴えることが甘えや弱さの象徴かのように述べている言説にもいまだ多く出会う。
 
「心理状態、精神状態は自らで律し管理すべきもので、それが出来ないのは甘えと弱さのためであり、恥じるべきだ」という認識がいまだ多くの人に根付いていることが、実際にうつで苦しんでいる人が、自分がうつ病であるという自覚を持ち、具体的な治療の過程に進むことを難しくしてしまう。
たとえば、患者本人がそういった思考の持ち主であれば、自分がうつ病であることを認めたくないという心理が働いてしまうし、自覚に至ったとしても、周囲の人の反応を気にして、適切なケアを受けるための行動を起こせないということがある。

 しかし、「心理状態、精神状態を自らで律し管理する」ということは、どのような場合においても本当に可能なのだろうか?医学的、生物学的見地に立てば、心理状態・精神状態も生理的作用のもたらす結果の一つなのであるから、上の考えは明らかに誤りとなるであろう。
ただ、一々難しいことを考えなくても、単純に自分のこれまでの人生を振り返ってみた上で、この考えを肯定できる人が一人でもいるのだろうか。つまり、私/あなたはいつでも自分の心を律し、管理して今まで生きてこれたのか?

 うつ病は病気である。
ただし、この病は他の病気と比べあまりにも「私たち自身」と結びついているため、確かにその扱いは難しい。
けれども、自分がうつ病であるかないか、悩むことは誰のためにもならない。
重要なのは、一刻も早く患者が適切なケアを受け、回復へのプロセスに進むことであり、それ以上でもそれ以下でもない。
Posted at 16:59| うつ病 | この記事のURL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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