体長は1メートルからせいぜい2メートル、同じく深海の巨大鮫、メガマウスのようなユーモラスな体型をしているわけでもなく、絶滅種メガロドンのような迫力もなく、一見するとそれほど風変わりな生物に見えないラブカ。
これがなかなか興味深いサメなのです。
ラブカはサメといってもかなり特異な体型をしており、あまりサメらしく見えないかもしれません。
ラブカが「一般的なサメ」に見えない理由はいくつかあります。
まず、サメにしては非常に体が細長いということがあげられます。
頭部から尾に向かって先細りとなっていますが、特に目立った太い部分もなく寸胴な体型です。
これはもう一つの特徴である、「サメにしてはヒレが小さい」、というのと関連しています。
大きな背ビレを水面から出して泳ぐさまは、サメのトレードマークの一つといえると思いますが、ラブカのヒレはとても小さく、背ビレにいたっては尾の付け根付近に小さいものが一つあるだけです。
尾ビレも細長く後ろに伸びていますので、元々からだが細長い上にヒレが目立たないため、棒状の特異な体つきに見えるのです。
この「尾に向かって先細りの体型」はラブカに限ったことではなく、深海の生物には比較的多く見られる特徴ですが、ラブカも深海の生活に適応してこのような姿になったのかもしれません。
そしてもうひとつ、ラブカの口の付き方です。
サメは獲物を襲うときに体をねじって横になって噛みつきますが、それは口が腹側についているからです。
水生UMAの誤認には多くのチョウザメの目撃が入っているといわれますが、このチョウザメ、確かに軟骨の多い魚ですが軟骨魚類のサメの仲間ではなく、れっきとした硬骨魚類です。
しかし口が腹側についていることからサメのような姿に見えるため、日本ではチョウザメ、とまるでサメの仲間のような名前を持っています。
このことからも「サメの口は腹側にある」というのが、サメの特徴と考えられていることが分かります。
しかしラブカの場合、見慣れているふつうの魚同様、口が頭部の先端についています。
そのため、頭部だけ見るととてもサメには見えません。