が鳴り、久々に昔の同僚からだった。
なかなか会社の業績が厳しく、自分のモチベーションも下がっている類いの内容だった。
辞めたいという後ろ向きな話を聞いてしまったのだ。
この人の辞めたいは、そこらへんにいる輩のそれとは違っていて、相当な責任を背負った人だから、この発言には、こちらもかなりショックを受けた。
自分を先生と言わせ、ふんぞり返って勝手気ままな生活を送って来た連中が、何のインフラ整備を怠り、私腹を肥やして来たことで、また煽りを喰らう働き盛りの人間たち。
本当に嫌な時代だし、嫌な世の中だねぇ。
昔、若くして、とある企業の役職(副社長待遇)にと誘われた事があって、丁重にお断りした事がある。
そういうのって、自分には向かないと思っていたからだ。
下手な会社の役員なんかよりは、方向性が合えば、俺の方が業績を上げる自信はあるんだけど(少なくとも今の音楽業界の経営陣には、負けないよ、俺。断言。)、そういう事が嫌で、音楽に集中したいとの思いで独立した経緯がある。
でも、このままでは、何にも残らないね、この業界も。
でも、純粋に生まれて来る音楽もたくさんあってね、最近も胸にグサッ!と来た音楽があった。
真剣に働いているスタッフもたくさんいる。
事務所にもレコード会社にも、そういう人たちが、まだまだたくさんいる訳だ。
アーティストと名乗る人間も、そういう部分を理解した接し方が出来ない人間もいれば、保身に生きる経営陣もいる。そして、勘違いした現場も多々いるのも事実。
音楽村だけで完結した器なんてどうでも良いことであって、世の中を震撼させるエネルギーをぶつけて欲しい。
それが社会的責任へと転化して行くのだ。
あるアーティストの移籍話にぶら下がり、自分の条件を高め、一緒に移ろうとの奇策を狙った輩の噂話を人伝に聞いた。
そんな事で、アーティストを私物化して利用するのなら、そのアーティストを、そんな会社に紹介しなければ良かったと、俺は後悔している。
逆に、その会社と約束して来た事は、ことごとく裏切られて来た俺もいる。
だから気持ちは解らないでもないが、すべての経緯を知る者として、やるせない気持ちも抱いてしまった。
上記の方は、誠実に頑張って来た結果、苦しんでいる。
一方で、ズル賢く世渡りする人間も。
俺はいつでも権力よりも誠実な「人」と寄り添う。
それで俺が沈むならそれでいい。本望だ。