THE LOOONIES’ ADVENTURE

Character © 2008TTTG


THE LOOONIES

遥か3000年の未来、ロックはまだ生きていた!!
母なる地球に還る壮大な旅。
愛を伝える“LOOONIES”の冒険物語




☆最初から読みたい方へ☆
物語のトップは→←をクリック!!


『伝説完結』


長い間ご愛読ありがとうございました。
壮大な旅の驚くべき結末をお見逃しなく!


★英語版★も登場!!
CHECK IT OUT!


■INDEX■

まとめ読みをされる方のために、目次を作りました。
お好きなページをクリック!


第1章 NO WAY OUT !
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]
第2章 ドバイ〜砂上のゲート
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16]
第3章 オーストラリア〜巨石の惑星
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]
第4章 神話の森
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]

第5章 真実の泉
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

最終章 満月の審判
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16]
[17] [18] [19] [最終回:前編] [最終回:後編] [エピローグ]全編完結!




◆ありがとうございます!もうすぐ30万PV達成!!◆


◆NEWS!!◆
11/11,12にシンガポールで開催された
「ANIME FESTIVAL ASIA 2011」
経産省のCOOL JAPAN BOOTHに
THE LOOONIESが出展されました!!


2009年09月24日

最終章 満月の審判<最終回:前編>

Story By ワダマサシ



皮肉にも、旅立ちの朝の空は、ロットネスト島に着いて一番と言えるほど青く高かった。
最後の朝食を終え外に出た旅人たちは、思わず出発の延期を考え始める。
「あとせめて一週間ほど、ここにいるってのはどうなんだろう?」ハンマーが、浜辺から駆け上がってくる潮の馨りを深く吸い込んで言った。「干潮は今日だけじゃないぜ」
「まだ行ってみたいところが沢山あるしな」スカーも思わず誘惑に負けそうになる。「島の裏側には、もっとすごい景色が待っているかもよ」
「きまりあるね!丘の向こうに泉を見つけたある。出発は、皆であそこにピクニックに行ってからでもいいと思うあるよ」
「おいおい、この島のピクニックならもう充分にやったじゃないか」エースが肩をすくめた。「オレ達を待っている地球の空は、きっとこんなもんじゃない。この何倍も美しく澄み渡っているさ♪」
「そ、そうかな…」ハンマーが名残惜しそうに、また無人島の空を見上げた。
「みんな…気持ちはわかるが、ドームで虚無が広がっていることを忘れるな。こうしている間にも、何人もの若者が自らの生命を絶っているんだ。もうこれ以上一刻の猶予もない」エースはリーダーとして毅然とした態度を見せる。「予定通り今日の夕方出発しよう…!」
コーラは一言も語らずに、エースの決断に耳を傾けている。
旅人たちはその健気な横顔を見て、すぐに納得した表情で頷きあった。

「あんれまあ、キレイな流れ星だわさ。爺、見てみろ」
惑星の裏側で、フリッグが夕暮れの山際に降る星屑を指折り数え始めた。「ひと〜つ、ふた〜つ、みっつ。…よっつ、いつつ!」
「確かにいま五つの流れ星が見えただがに…」オージンが言った。「数えるのに夢中で、願い事を言うのを忘れたがに…。失敗、失敗」
「余計なことせんでええよ、爺。いまの五つの星屑は、あの若者たちの魂だわさ」
「何かをわしらに伝えようとしたかに?」
「きっと、これからうんと遠くへ旅立つんだわさ。それで、サヨナラを言いにきたに違いないわさ」
「うんと遠くって、いったいどこだがに?」
「それはきっと…天国だわさ」
「何を言う婆さん。縁起でもないがに!」
「爺も言うことが小さい小さい。あたしゃ、この世の生き死にのことを言ってるんじゃないわさ!」フリッグの目には涙が溢れていた。「旅人たちの目的地はそんなちっぽけなとこじゃない。もっと大きな場所…神の懐に抱かれに行くんだわさ」
「神の懐…」オージンが両手を空に突き出し、天空を自分の胸の中に納めようとした。「そう言やあそうだがに。少なくとも、わしらの胸の中には、いつまでもいつまでも生きているがに…」

夕映えの中を砂浜に下りていく若者たちの足取りは、さすがに鉛のように重たかった。
先住者が残した真新しいブルーの作業服に着替えた姿が、まるで安全が保障されていなかった古代の宇宙船に乗り込む直前の緊張したクルーのように見える。
「キレイな夕空だな」
「ん?なんか言ったか?」
「いや別に。腹は減っていない…」
緊張を隠すために試みたハンマーとスカーの会話が、切ないほど空回りする。
その後、崖の途中で話そうとする者は一人もいなかった。
砂浜に下りると、潮は見事に遠くまで引き、浜風は出発を祝福するように優しく凪いでいた。
スカーが岩で目印されたゲートに真っ先に駆け寄り、その様子を窺った。
――ウィーンウイーン…
遥か彼方からの伝わってくる航路のエネルギー音が、まるで出発のベルのように旅人たちを誘う。
「広さも申し分ない」スカーが吸い込まれそうな“無”の暗闇を覗いて言った。「三人ほどいっぺんに入れそうだぜ」
「どれどれ?」ハンマーが屁っぴり腰でゲートの淵に立つ。「200光年…ぞっとする深さだな…。これでワープは三度目だが、今回が一番ビビルぜ」
「一番楽しみと言ってくれよ。ここを通り抜けた向こうは、憧れのマザー・アースだ♪」
この旅立ちが同時に誰かとの別離を意味することを知る旅人たちは、リーダーの努めて明るい声に同時にうなずいたものの、そのまま顔を上げることが出来ない。
ゲートを囲んだまま、五人はしばらく無言で航路のノイズを聴いていた。
「みんな、ほんとうにありがとう…ある。ここまで連れてきてくれて、ほんとうに嬉しかったあるよ。いままで我慢してたけど、やっぱり言うある」ワンが覚悟を決めたように言った。「…サヨナラ」
「バカ!なにがサヨナラじゃ!」ハンマーがまるで父親のようなやり方でワンを抱きしめた。「オレは別れの言葉なんて、絶対に言わんぞ!」
それを合図に、旅人たちは一人ずつ抱き合いその温もりを確かめ合う。
それは、サヨナラという言葉を封印した最後の惜別の儀式だった。
「さあ、出発しよう…」エースが皆の顔を見渡して言った。「向こうで全員が再会出来ると、オレは信じているから♪」
その言葉に、仲間たちは吹っ切れたような笑顔で応えた。
出会いと別れ、喜びと悲しみ、永遠と刹那、生と死、それら全てを超越した微笑みがあることに、旅人たちは生まれて初めて気づいていた。

いつの間にか、空が美しいグラデーションを描いていた。
夕焼けに炙り出され、空には再びあの満月がうっすらと浮かんでいた。
「出発の順番は昨日のクジ引きの通りだ」エースがゲートの前に立ち言った。「スカーが一番、次がワン。コーラは三番目。四番目がハンマーで、最後がオレだ。みんないいな?」
「この期に及んで申し訳ないが、コーラと順番を代わってもらっていいかな?」ハンマーが言った。「ワンが、どうしてもオレに抱きしめられて旅立ちたいらしいんだ。キュキュっとな」
ワンが、首をカタカタと縦に振った。
「お前らキモイこと言ってんじゃねえよ」エースが苦笑する。「どうせ向こうに着いたら、またすぐ全員一緒だぜ♪」
「そりゃあそうだが…。ワンが駄々をこねるとやっかいだし…」ハンマーがウインクをした。「頼むよ!」
「でも、せっかくクジ引きで決めたんだし…♭」
「いいじゃないか。あんまり固いこと言ってると嫌われるぜ」スカーが言った。「な?コーラ、いいだろ?」
頬を赤く染めたコーラが、肩をすくめて微笑んだ。「わたしはどちらでも…」
エースが照れくさそうに頭を掻き、承諾の意思を表明した。
――ウィーンウイーン…
航路のノイズが出発を急かすように大きくなっていく。
「みんな、地球で会おう!♪」スカーが、仲間たちに旅立ちを宣言した。
いつも先陣を切る頼もしい男を、みんな眩しそうに見つめる。
「ちょいとそこまで行ってくるぜ!」スカーがさりげない表情で応え、ゲートの上に片足を伸ばした。「じゃあな!」
――ウイーン…
暗闇があっという間にスカーの姿を呑み込み、何事もなかったように虚ろな洞窟に戻った。
「さてと。オレ達も後に続くか。エース、コーラ、お先に!」スカーのあまりにもあっけない旅立ちに勇気づけられ、ワンとハンマーが抱き合ってゲートの淵に立った。「行ってくるある!」
「おまえらは、マジでおホモ達か!?♪」
――ウィーンウイーン…
その言葉を無視して、二人は虚ろな闇の中に一瞬で消えていった。
残された恋人たちの足元にも、夜の闇がそっと忍び寄ってくる。
「さあ、コーラ行こうか♪」エースが愛する人に右手を差し出した。
「絶対に離さないでよ…」コーラがエースの腕の中で囁いた。
唇を重ねる恋人たちの影がふっと砂浜からかき消えると、ロットネスト島は再び元の無人島に戻っていた。
誰も聴く者がいなくなった後も、波音がいつまでも絶えることなく繰り返されていった。


続く…




この小説はランキングに参加しています。
気に入った方は、
ぜひ下の“2つの”バナーをクリックして応援投票を!!
同時に現在のランキングも確認できます。
▼▼▼

にほんブログ村 小説ブログ 冒険小説へ
にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ

★携帯用目次ページはこちら★ 
お好きなページに移動できます!

「HEART×BEAT」の他のステージもぜひ訪問して
仲間達の素敵なストーリーをゆっくりとお楽しみ下さい。(エース)




ワダマサシ(本名:和田将志)
「HEART×BEAT]事務局発起人。
東京都出身、慶應義塾大学商学部卒。
ビクター・エンタテインメント、ソニー・ミュージックで
長く音楽制作業務に携わる。
2004年シンク・アンド・リンク(株)設立。
2007年逢谷人(おうや・じん)のペンネームで
処女作にして700枚超の長編小説「エンジェル・ハンズ」執筆。
ブログ村サスペンス小説ランキングで1位に。
同年、続編の「ファイアー・ウォール」完成。
同時にソニーミュージックとシリーズの原作契約締結。
2008年秋、三部作最後の「タイム・キラー」完成。
現在、映画化へ企画進行中。


トラックバック
この記事へのトラックバックURL
http://blog.oricon.co.jp/story4/tb_ping/89
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

コメントを書く
名前:

Email:

URL:

クッキーに保存
  コメント:
太字斜体下線打ち消し線カラーパレット大得大小引用左寄せ中央寄せ右寄せURL絵文字

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
コメント
フォト一覧を見る
芸能人が集まる無料ブログ。スタ☆ブロでブログを開設する!

3位飯田圭織
7位菊地美香
8位Kalafina
9位増田俊樹