THE LOOONIES’ ADVENTURE

Character © 2008TTTG


THE LOOONIES

遥か3000年の未来、ロックはまだ生きていた!!
母なる地球に還る壮大な旅。
愛を伝える“LOOONIES”の冒険物語




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『伝説完結』


長い間ご愛読ありがとうございました。
壮大な旅の驚くべき結末をお見逃しなく!


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CHECK IT OUT!


■INDEX■

まとめ読みをされる方のために、目次を作りました。
お好きなページをクリック!


第1章 NO WAY OUT !
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]
第2章 ドバイ〜砂上のゲート
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16]
第3章 オーストラリア〜巨石の惑星
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]
第4章 神話の森
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12]

第5章 真実の泉
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

最終章 満月の審判
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16]
[17] [18] [19] [最終回:前編] [最終回:後編] [エピローグ]全編完結!




◆ありがとうございます!もうすぐ30万PV達成!!◆


◆NEWS!!◆
11/11,12にシンガポールで開催された
「ANIME FESTIVAL ASIA 2011」
経産省のCOOL JAPAN BOOTHに
THE LOOONIESが出展されました!!


2009年03月16日

第2章 ドバイ 〜砂上のゲート<7>

Story By ワダマサシ


「何度呼びかけても、コーラからの返事がありません」
ナカメグロのアシモフ邸で、ラモージロ通信士が心配顔の博士に言った。「何事もなければいいんですが…」
「出発前から絶不調だったもんなあ…」博士は言った。「しばらくは、無理かも知れん」
「モバイルフォンで連絡してみましょうか?」
「いややめておけ。すべての通信網は、インセックに四六時中見張られている。絶対に使ってはならんとキツク言っておいたから、かけてもおそらく出ないじゃろう」
「しかし、まさかこんなに早くコーラに追っ手が迫るとは…」
「わしも油断をしたもんだと、反省しているよ」
「中央政府にとって、コーラはわれわれが考える以上の宝物だったんですね」
「あの娘の能力が完全に覚醒したら、何万光年の距離だって隣にいるのと同じだからな」
「いまごろ、どこにいることやら…」憔悴しきった表情のラモが、無精ひげを何度も擦り上げる。
「予定ではもうとっくにドバイに入っているはずじゃ。エース君は『これだけは譲れない』と言って、わしの忠告にも決して耳を貸さなかった」博士が言った。「下手をしたら、いきなり旅が終わってしまうかもしれないのに…」
「では、やはりスカーの父親を助けに向かったと?」
「間違いない。スカーを父親に一目合わせるだけだと言ってはいたが、どうだか…」博士は言った。「コーラはますます心配で、通信どころじゃないはずじゃ」
「我々は、コーラの回復を待つしかありませんね…」


「さあ、いくある」
いつの間にかワンが先頭になって、病院の玄関に仲間を導いていく。
「ひえ〜、涼しい♪」
薄暗い建物の中は、何千年もそこに留まっていたかのようなヒンヤリした空気の化石で満たされていた。
「まるで、遺跡の中を歩いてるみたいあるな」
――カツン、コーン、カツン、コーン…
3人の足音が、高い石の天井にはね返りいつまでも消えない残響になる。
「あそこが受付だ」
スカーが視線で示した先に、建物の佇まいにそぐわない氷のように冷たい光が零れるレセプションの大きな窓口が見えた。
「スカー・コージ・シモンズです。こちらに収容されている父親の面会にきました」長身をかがめてスカーが言った。
「許可証データを照合する。頭をもっとこっちへ」受付の担当官はそう言って、タグリーダーをスカーのコメカミに当てる。「よし…確認がとれた。すぐに案内しよう」
「友人二人も、父に合わせたいんですが」
「家族が立ち会っているなら、かまわないだろう」
「シュクラン(ありがとう)」
「アフワン(どういたしまして)」担当官は機械的な声を返した。「そこで呼ばれるまで待っていなさい」

「アラビア語しゃべれるのか♪」ロビーでエースが訊ねる。
「カタコトだけど、必要にせまられてな」スカーが言った。「ここでは完全な異教徒だと思われると損するコトが多いんだ」
「わたしも、アラブ語勉強すればよかったあるね」
「もうおそいよ。さあ、どうする?ワン君。オレはキミに賭けてみるよ♪」
「まあ、なるように、なる。…ある」
「なんだか緊張してきたぜ…なんせ40年ぶりだからな」再会のことだけを思い、スカーが目を瞑り言った。

案内の看護士は、どことなくアジア族系のようだった。
白衣をきたその男に導かれ、回廊のような螺旋階段を使って地下三階へ。
そこから建物の奥へと向かう気が遠くなるほど長い廊下の突き当たりに、目指す面会室があった。
ドアを開けると、15メートル四方ほどの石室が中央にはめ込まれた分厚いガラスで二つに仕切られている。
「ここで待っていろ。いま、患者を連れてくるから」案内した看護士が3人を置いて部屋をゆっくりと出ていった。
「ガラスはちょっと硬そうあるね」コンコンとコブシでたたきながら、ワンが言った。
「爆薬でもないと割れそうもないぜ。♪♭」
「でも、大丈夫ね。ふふふ、気がついたあるか?」
「なにを?」スカーが眉を吊り上げてワンを見た。
「いまの案内の看護士、ヒューマンある」
「な、なんでわかる?♪♯」
「わたし、客商売のプロね」ワンが言った。「プロは、客の靴見るね」
「靴がどうしたって?!♪」
「あれアディダスのデッドストック物よ!?あなたぜわからな〜い?」ワンが目をまん丸に開けて言った。「骨董もいいとこね。地球暦2030年代のクロストレーニングシューズ。とても貴重な貴重な中国大陸製よ」
「まじか?」
「だから、わたしさっき言ったね。“病院職員にはヒューマンが多い”って」
「だからなんなんだよ?!」スカーが言った。
「いいのいいの、さっき打ち合わせた通り!あなたはお父さんと再会のコトだけ考えるあるね。あ!きた!」

先程の看護士に付き添われて、やせ細った長いアゴ髭の男がガラスの向こう側の部屋に入ってくる。
「おやじ!」スカーがいきなり絶叫する。
その声に気づき顔を上げた男はスカーに気づくなり、顔をくしゃくしゃにして泣き出していた。
「スカー!!スカーなのか?!」我が子の名前を何度も叫び、父親はガラスに手の平を押し付ける。「げ、元気だったか!?苦労をかけて本当にすまなかったな」
義父とは思えないほど男はスカーに似ている…エースはそう感じていた。
「なにを言っているんだよ、おやじ!!」スカーもガラス越しに父と手を合わせ、言葉もなく号泣する。「おやじ!!オレのほうこそ、これまで会いに来れず一人ぼっちで寂しい思いをさせたな…!」
40年の時を隔てた義父子がやっと通常に近い会話が出来るようになるまで、面会室はただその泣き声だけが響いていた。
「おやじ、紹介する。この二人はエースとワン」スカーがやっと腰を下ろし落ち着き始めた父親に、さきほどから声を殺し貰い泣きをしている友人たちを紹介した。「いっしょに旅をしている仲間達だ」
「旅?いったいどこに行くんだ?」父親が訊ねた。
「おやじがオレをドバイに連れてきてくれたのと同じ。自分のルーツを知るための旅さ」
「ルーツ?お、お前まさか?」
「ゴホン、育ててくれた父親のいる街を訪ねる想い出つくりの若者旅行ですよ!♪」
「そうか、それならいいんだが…」父親は言った。
「しくしく、しくしく…」ワンがその様子を少しはなれたところで見つめながら、突然さめざめと泣き始める。「しくしくししくしくしく…」
「どうしたワン?」エースがワンの異変に気づき声をかけた。「なんで時間差があるわけ?♪」
「じくじくじくじく…」バリエーションをつけたワンの泣き声は止まらない。「お〜いおいおい、お〜いおいおい…悲しいよぉ」
「ぐぐぐぐぐえ〜ん、ぐえ〜ん」ワンの泣き声は激しくなるばかり、まったく止まらない。「ぐ、ぐえんぐえん、ぐえ〜ん」まるでオモチャを買ってもらえない子供のように、ワンはついに床に突っ伏し、手足をバタバタさせながら泣き出した。「ぐごごごご…」
ガラスの向こうにいるスカーの父親も、この事態をあっけに取られた顔で見つめていた。
「ちょっと様子が変だぞ」エースがガラスの向こうの看護士に助けを求めた。「ちょ、ちょっと看てもらえませんか?」
「ど、どうした!?大丈夫か?」駆けつけてきた心配顔の看護士が、泣き続けるワンを揺り起こそうとしていた。「おお!大変だ!失神している。なんということだ、グスン」
ワンの切ない泣き声は、明らかに看護士のヒューマン心を動揺させ涙を伝染させてしまっていた。


続く…

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