2012年02月23日

今日の社説 430

2月23日 東京新聞

大都会の外れで家族三人が人知れず亡くなっていた。餓死だったかもしれないというからやり切れない。痛ましい最期を迎える前に、異変を告げるサインを救済に結びつけるすべはなかったのか。二十日昼すぎ、さいたま市のアパートの一室で三人は見つかった。東北新幹線の高架に程近く、周りは工業団地と田畑に囲まれている。人目は決して少なくない。警察によれば、六畳の和室に六十代の夫婦が、四畳半の和室に三十代の息子が布団に横たわっていた。食べ物は見当たらず、水の入ったペットボトルが脇に置かれていただけだった。二カ月くらい前に息絶えたようだ。現金はほとんどなく、しばらく水だけで飢えをしのいでいたらしい。庶民の暮らしを支えるセーフティーネットのあまりのもろさにがくぜんとさせられる。

救いの手を差し伸べるきっかけはいくつもあったはずだ。この半年間は家賃の支払いが滞り、水道料金も未納だった。電気やガスも止められていた。ポストは郵便物でいっぱいだった。昨年十二月には、妻が面識のない近所の人を訪ね、夫が病気で困っていると打ち明けて借金を頼んだという。もちろん簡単に応じられる相談ではないが、懸命にSOSを発信していたのだろう。事業者の担当者や近所の人たちが生活苦を指し示す多くの兆候をもう少し深刻にとらえ、機転を利かせて福祉行政の窓口につなげていれば、と悔やまれる。住民登録をしていなかったのも、公的救済の死角になった。地元の民生委員が生活に困窮している家族や独り暮らしのお年寄りたちを見守るには、住民登録のデータなどを基にするからだ。

民生委員と電気やガス、郵便などの事業者、町内会、行政が連携し、きめ細かな情報の共有を絶やさないことが大切だ。近所の“おせっかい”も効果的ではないだろうか。いま一度肝に銘じたい。東京都中野区は事前の承諾を条件に、お年寄りや障害のある人たちの個人情報を町内会や警察署などに知らせ、見守りに役立てる取り組みに乗り出した。声なき弱者たちに地域の目を行き届かせようと、今まで受け身だった行政が一歩踏み出した珍しい試みだ。社会的な孤立を防ぐ手だてとして注目したい。生活に困っても世間体を気にしたり、知識がなかったりして救済策から漏れる人も多い。身近な人にでいい。声を上げてほしい。

餓死…この飽食の時代に餓死…このような人を救うためにあるのが生活保護だと思うんですけどね…。生活保護をもらう必要がないのにお金を受け取ってパチンコ等のギャンブルに興じるどう仕様もない人間も多くいる一方で、本当に生活保護の需給が必要な人にはいきとどかないという現実。生活保護は今や働きたくない人間を救済するための制度になり下がってしまったということなんでしょうか?なぜこんな最期を迎えなければいけないのか?いつからこんな不公平な世の中になってしまったんでしょうね。こういう人こそ救済されるべきだと思うんですが…。取りあえずパチンコやたばこと言ったことに生活保護の金をつぎ込んでいる人間からは即刻受給を打ち切っていただきたいですね。
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2012年02月21日

今日の社説 429

2月21日 読売新聞

犯行時、18歳になったばかりの少年に死刑を適用すべきかどうか。最高裁の最終判断は「死刑」だった。山口県光市で1999年に起きた母子殺害事件の差し戻し後の上告審で、最高裁は殺人、強姦(ごうかん)致死罪などに問われた被告の上告を棄却する判決を言い渡した。被告の死刑が確定する。配水管検査を装って上がり込んだアパートの一室で、23歳の主婦を絞殺した。傍らで泣きじゃくる生後11か月の女児も殺害した。こうした被告の犯行を、判決は「冷酷、残虐、非人間的な所業」と指弾した。18歳1か月という犯行時の年齢や、更生の可能性などを考慮しても、「刑事責任は余りに重大だ」と死刑を選択した。残虐極まりない犯行には、年齢を過度に重視せず、極刑で臨む姿勢を明確にしたと言えよう。

争点は量刑だった。未成年の健全育成や保護を主眼とする少年法は、18歳未満の少年に死刑を適用することを禁じている。18〜19歳の「年長少年」についても、一般的に裁判官は、未成年であることを重視し、刑を軽くする傾向がある。この事件の1、2審判決はその典型だろう。「被告に立ち直りの可能性がないとは言い難い」と判断し、無期懲役とした。だが、最高裁は審理を広島高裁に差し戻した。被告の年齢について、「死刑を回避すべき決定的な事情とまではいえない」という理由からだった。差し戻し審で広島高裁は死刑を言い渡し、最高裁が今回、それを支持した。厳罰により、少年の凶悪事件に歯止めをかけたいという最高裁の意向がうかがえる。

選挙権年齢の18歳への引き下げが検討課題となるなど、年長少年を「大人」と見る風潮は強まっている。社会状況の変化も、最高裁の判断の背景にはあるだろう。殺害された主婦の夫は一貫して死刑を求めてきた。一方、被告は、最初の上告審で死刑廃止派の弁護士らに交代して以降、「甘えたい気持ちから抱きついた」と殺意否認に転じた。この点を差し戻し審は「うその弁解は更生の可能性を大きく減らした」と批判した。最高裁も「不合理な弁解」と断じている。弁護方針に問題はなかったろうか。裁判員制度が導入された現在、この事件も裁判員裁判の対象となる。無期懲役と死刑の狭間(はざま)で裁判所の量刑判断も揺れるような難事件を、市民はどう裁くか。裁判員の視点で考える契機としたい。

当然にも程があるというくらい当然の判決です。その一方で、無期懲役と死刑では判決の重さが全然違うのですが、今の法務大臣は全くお仕事をしない人たちが続いていますので、恐らく半世紀以上税金で飼い続けることになるんでしょうけどね。取りあえずこの判決が死刑で良かったです。これだけ残忍な方法で人を殺め、さらに暴行し、何の罪もない赤ちゃんも床にたたきつけて殺し、裁判では復活の儀式だのドラえもんだのと頭がおかしいとしか思えないようなことを言って遺族だけでなく、テレビを通じてこの裁判の経過を見守っている多くの人を不快にさせましたからね。これが死刑にならなかったら日本の司法はもう死んだも同然と思っていましたが、一応まだ少しは血が通っているようです。自分勝手で、ひたすら自己中心的な動機で何の罪もない人を殺めるような人間に同情の余地などなにもありません。
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2012年02月20日

今日の社説 428

2月20日 東京新聞

今春卒業予定の大学生の就職内定率が回復し、最終的な就職率は過去最低だった昨年を上回る見通しとなった。採用の厳しさはまだ続く。政府も大学も「氷河期」への対応を怠ってはならない。今春卒業する大学生たちの“春闘”は最後の追い込みに入った。文部科学、厚生労働両省の調査では昨年十二月一日の内定率は71・9%と前年同期比で3・1ポイント上昇した。約四十一万六千人の就職希望者のうち、未定者が約十一万七千人いる。厚労省は全国五十七カ所の新卒応援ハローワークを通じて支援を強化してきた。その結果、四月一日時点で集計する就職率は昨年春の91・0%を上回る「93〜94%程度となる見通し」になった。また高校生の就職内定率は昨年十二月末現在で80・4%。こちらも前年同期を2・5ポイント上回った。

今年三月末集計の就職率は、昨年の93・2%を上回り二年連続の上昇となることを予想している。改善理由は、円高などによる企業の海外展開と競争力強化に必要な人材確保のほか、今年から六十五歳に達する団塊世代(一九四七〜四九年生まれ)の大量退職への対処が指摘されている。ただ、企業側の厳選採用はますます強まる可能性が高い。リクルートの調査では二〇一三年春卒業予定の大学生・大学院生採用は、従業員規模千人以上の大企業は「増える」が13・3%だが、「変わらない」が54・7%、「わからない」が25・0%ある。千人未満では「増える」は9・1%に減り、「変わらない」は47・7%、「わからない」25・2%、「以前も今後も採用しない」が11・1%と厳しくなる。

ハローワークで就職相談に応じるジョブサポーターは学生たちに「大企業にこだわらず中堅・中小企業での正社員就職」を勧めている。だが現実は、どこの企業でも狭き門となっている。一方、企業は即戦力重視の採用に意欲的だ。三井物産は新卒者と転職希望者との合同説明会を開いた。富士通は一三年春採用から文系学生を対象に営業や法務など職種別採用制を導入する。大手の中には留学生や外国人採用を拡大するところも出てきた。政府は一二年度から私立大学を中心にジョブサポーターを常駐させ、在学中から就職活動に取り組む支援策を実施する。大学も情報収集から実践的対策など就職促進の態勢を強め、一人でも多くの正規就職を実現してもらいたい。

目に見えて上昇したというわけではなく、少しずつですが上昇傾向にあるということなんでしょうね。大学三年生の就活解禁日が遅くなり、短期決戦を強いられるようになりましたが、これがきっかけで景気が回復したりするなんてことはなさそうですので、まだまだ学生にとって厳しい戦いは続きそうな予感です。中小企業はまだまだ景気がドン尻状態ですので、中小企業の活性化が急務のような予感がするんですよね。学生は大手に目を向ける傾向がありますが、中小企業に目を向けると、求人は結構あったりしますからね。日本経済を支えているのは大企業ではなく下町にあるような中小企業なんですね。日本のものづくりの技術は世界に誇れるほど秀逸ですので、この後継者の育成にも力を注いでいただきたいですね。中小企業の活性化が景気の活性化につながります。
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