Egon Schiele Holy family 「聖家族」(1914)
この絵はみればわかる!シーレと妻としなかったヴァリー。エディトと結婚する3年前の作品。
シーレはこの作品でも二役演じている。シーレは聖ヨセフ、そしてヴァリーは聖母マリア。原罪のない妊娠。
Ryoの記事によると、「シーレは自分をさまざまな姿に表わした。」とある。
記事 「エゴン・シーレ 磔刑 (Crucifixion)」
art⇔Interactive⇔life の記事では、自己の二重性、分身像について作品をあげています。
記事 「エゴン・シーレ 二重の自画像」
透明な袋は子宮?
羊水のなかにいる胎児を、自分のハートに手を添えるようにそっと触れるヴァリーの手。片方の手は、シーレの両手に重なるようにあげている。
これはムンクのマドンナ。楓から拝借。
この聖家族のヴァリーの頭は横に描かれている構図に似ている「死する母T」は、ムンクのマドンナをイメージできる。「別名「受胎」といい、版画版だけに、精子や胎児が描かれています。」とあるが、マドンナのゆるりとまわる背景は、羊膜なのか。
シーレはとくに、胎児(赤ん坊?)を中心にムンクのマドンナのように黒く取り巻いている。
シーレは、タイトルや作品のディティール、構図など、ココシュカ、クリムト、ゴッホ、ムンクなどから多用している。
ココシュカ、クリムト、シーレの作品だけではなく、ムンクも自分の作品に、画家自身と恋人を描いていることは有名。
ムンクはノルウェー、クリムトはウィーンで、1年違いの生まれ年。
クリムトのストックレーフリーズ、ベートーベンフリーズも「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」の開催などで、こういった作品もクローズアップされてきていますが、ムンクも「フリーズ・オブ・ライフ」(生命のフリーズ)と称し一連の横長の帯状装飾(フリーズ)を制作してます。
Egon Schiele Dead mother 「死する母T」(1910)
聖家族より以前の作品。ムンクのマドンナは1902年。ムンクで思い出したけれど、sai はクリムトの接吻、シーレの接吻と記事をアップしているが、実はムンクの接吻も記事にしている。sai の記事を読むと、ムンクは「死と乙女(死と少女)」も描いている。ちなみにクリムトの「母と子」にもそっくり。
当時の音楽や書物には「死と乙女」(音楽)、「聖家族」(書物)などのタイトルが多い。今度、ゆっくりリサーチ。
この「死する母 T」(1910)は、生と死の類似性を象徴しているとのこと。
Egon Schiele Mother and child 「母と子」(1912)
「死する母 T」に続いて、母と子が描かれている作品で、僕はこの作品が一番強烈。子供の顔は恐怖におびえているのではなくて、驚き泣き叫ぶ直前のような表情です。
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先の2作品と違い、母親は正面の顔を子供にうえから見下ろすように、塗りつぶされたような目から視線を投げかけています。
幼子と母親の関係は、シーレとその母親との関係をあらわしているかのようです。
子供と母親の作品でよく知られているのが次の三作ですよね、たぶん。
画像はKEI くんから拝借。どーもすいません。手伝ってもらって。
左が「盲目の母」、右が「若い母親」で、どちらも1914年の作品。「盲目の母」は母親が石像、子供の頭は象牙の球のようだとありました。壮大でモニュメンタルな様式の頂点の作品だそうです。
「若い母親」は、これも彫刻家の視点から描かれているそうです。
赤ん坊のむきと上半身ねじれた反対側の母親の腕は高く伸び、空間の奥行きを生み出している作品。
この作品は、シーレと母親のギクシャクした関係をあらわしているそうです。
「母と二人の子供V」(1917)は、僧服の母親は悲しみに沈んでいます。
ただし、カラフルな衣装の対比は「生命感」を与えられているとのことですが、「おもちゃと装飾の区画に囲まれた母と2人のこども」(1915)に似ていて、人形めいた子供に仕上がっています。
これ、面白い。
シーレは母子の主題を、一番最初の作品にあるように、3人の家族像に広げていますが、「聖家族」のパロディ、または挑発するかのように、伝統的な描き方はしていません。
だから逮捕されちゃったり・・・、ね・
Egon Schiele Mother with two children 「母と二人の子供」(1915)
子供のモデルの使用、ヴァリーに対しての未成年誘拐容疑、そして宗教や聖職者への冒涜などで勾留された2週間に、その拘留中の水彩画などを作品にしています。
さてですね、最後は未完成の「家族」でおしまいです。
Egon Schiele The Family 「家族(うずくまる一組の男女」(1918)
シーレも妻エディトも亡くなった年。男性はシーレだが、女性はエディトではないという。シーレがエディトの妊娠を知って描いた作品で、表情が明るく希望のある作品。未完で残念。
「うずくまる一組の男女」というタイトルが、二人が亡くなって「家族」とされたそうです。
おわり。





