2009年07月25日

エゴン・シーレ 聖家族


Egon Schiele  Holy family 「聖家族」(1914)


この絵はみればわかる!シーレと妻としなかったヴァリー。エディトと結婚する3年前の作品。

シーレはこの作品でも二役演じている。シーレは聖ヨセフ、そしてヴァリーは聖母マリア。原罪のない妊娠。

Ryoの記事によると、「シーレは自分をさまざまな姿に表わした。」とある。

記事 「エゴン・シーレ 磔刑 (Crucifixion)

art⇔Interactive⇔life の記事では、自己の二重性、分身像について作品をあげています。

記事 「エゴン・シーレ 二重の自画像

透明な袋は子宮?

羊水のなかにいる胎児を、自分のハートに手を添えるようにそっと触れるヴァリーの手。片方の手は、シーレの両手に重なるようにあげている。


これはムンクのマドンナ。楓から拝借。

この聖家族のヴァリーの頭は横に描かれている構図に似ている「死する母T」は、ムンクのマドンナをイメージできる。「別名「受胎」といい、版画版だけに、精子や胎児が描かれています。」とあるが、マドンナのゆるりとまわる背景は、羊膜なのか。

シーレはとくに、胎児(赤ん坊?)を中心にムンクのマドンナのように黒く取り巻いている。

シーレは、タイトルや作品のディティール、構図など、ココシュカ、クリムト、ゴッホ、ムンクなどから多用している。

ココシュカ、クリムト、シーレの作品だけではなく、ムンクも自分の作品に、画家自身と恋人を描いていることは有名。

ムンクはノルウェー、クリムトはウィーンで、1年違いの生まれ年。

クリムトのストックレーフリーズベートーベンフリーズも「クリムト、シーレ ウィーン世紀末展」の開催などで、こういった作品もクローズアップされてきていますが、ムンクも「フリーズ・オブ・ライフ」(生命のフリーズ)と称し一連の横長の帯状装飾(フリーズ)を制作してます。



Egon Schiele  Dead mother 「死する母T」(1910)



聖家族より以前の作品。ムンクのマドンナは1902年。ムンクで思い出したけれど、sai はクリムトの接吻、シーレの接吻と記事をアップしているが、実はムンクの接吻も記事にしている。sai の記事を読むと、ムンクは「死と乙女(死と少女)」も描いている。ちなみにクリムトの「母と子」にもそっくり。

当時の音楽や書物には「死と乙女」(音楽)、「聖家族」(書物)などのタイトルが多い。今度、ゆっくりリサーチ。

この「死する母 T」(1910)は、生と死の類似性を象徴しているとのこと。



Egon Schiele  Mother and child 「母と子」(1912)



「死する母 T」に続いて、母と子が描かれている作品で、僕はこの作品が一番強烈。子供の顔は恐怖におびえているのではなくて、驚き泣き叫ぶ直前のような表情です。

先の2作品と違い、母親は正面の顔を子供にうえから見下ろすように、塗りつぶされたような目から視線を投げかけています。

幼子と母親の関係は、シーレとその母親との関係をあらわしているかのようです。

子供と母親の作品でよく知られているのが次の三作ですよね、たぶん。

画像はKEI くんから拝借。どーもすいません。手伝ってもらって。


728pxegon_schiele_007 schiele_ Young mother



左が「盲目の母」、右が「若い母親」で、どちらも1914年の作品。「盲目の母」は母親が石像、子供の頭は象牙の球のようだとありました。壮大でモニュメンタルな様式の頂点の作品だそうです。

「若い母親」は、これも彫刻家の視点から描かれているそうです。

赤ん坊のむきと上半身ねじれた反対側の母親の腕は高く伸び、空間の奥行きを生み出している作品。


Egon_schiele_090_2この作品は、シーレと母親のギクシャクした関係をあらわしているそうです。

「母と二人の子供V」(1917)は、僧服の母親は悲しみに沈んでいます。

ただし、カラフルな衣装の対比は「生命感」を与えられているとのことですが、「おもちゃと装飾の区画に囲まれた母と2人のこども」(1915)に似ていて、人形めいた子供に仕上がっています。

これ、面白い。


シーレは母子の主題を、一番最初の作品にあるように、3人の家族像に広げていますが、「聖家族」のパロディ、または挑発するかのように、伝統的な描き方はしていません。

だから逮捕されちゃったり・・・、ね・



Egon Schiele  Mother with two children 「母と二人の子供」(1915)



子供のモデルの使用、ヴァリーに対しての未成年誘拐容疑、そして宗教や聖職者への冒涜などで勾留された2週間に、その拘留中の水彩画などを作品にしています。

さてですね、最後は未完成の「家族」でおしまいです。




Egon Schiele   The Family 「家族(うずくまる一組の男女」(1918)



シーレも妻エディトも亡くなった年。男性はシーレだが、女性はエディトではないという。シーレがエディトの妊娠を知って描いた作品で、表情が明るく希望のある作品。未完で残念。

「うずくまる一組の男女」というタイトルが、二人が亡くなって「家族」とされたそうです。

おわり。
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3位飯田圭織
7位菊地美香
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9位増田俊樹