僕はずっと、笑って感動できる映画というものを作りたかったんです。感動したことによって泣く人もいるだろうし、リアクションは様々だと思うんですけど、2時間かけて映画を観た後で“楽しかった”って思って頂いて、その上で更に心に何か置き土産が残せるような作品を作りたいとずっと思っていたんです。
主人公の五十嵐(佐藤隆太)は事故によって“高次脳機能障害”という障害を抱えています。彼の場合は、1日しか記憶が残らないわけですが、僕は、この作品を通して記憶障害とはどういうものかを説明したり、記憶障害になった悲しみを中心に描くつもりはありませんでした。逆境に立たされた人が、どういう風に生きていくのかという物語を描きたかったんです。彼の場合は、“高次脳機能障害”という障害を抱えていますが、普通に生きている人たちだって人間関係など様々なところで障害に立ち向かっていると思うんです。そういう人たちが、逆境に負けず立ち向かっていく五十嵐の姿を見て勇気を持ってもらえたらいいなと。
この作品は、CGもスタントマンもワイヤーも一切使っていないので、プロレスのシーンなどは、キャストがクオリティの高い技を出すしかないんです。常に怪我と隣り合わせなので、どのシーンも1度しかチャンスがないつもりで撮りました。役者自身、それは分かっていたので、相当なプレッシャーだったと思います。特に佐田君(ドロップキック佐田/川岡大二郎)は、五十嵐君が佐田のドロップキックに憧れて学生プロレスに入ってくるわけですから、技も相当美しくないといけないですし・・・。でも、ト書きに書くと1行なんですよね(笑)。
特に注目してもらいたいのは、最後の試合のシーン。ここは、上映から1時間半ぐらいかけて描いてきたものが全て集結するところなので。それを観ていただければ映画の全てが分かるというか、一つひとつの技にどんな意味が込められていて、どんな気持ちが乗っているのかがわかるシーンにしたかったので、そこも感じながら観ていたければと思います。
■映画『ガチ☆ボーイ』オフィシャルサイト
http://www.go-go-igarashi.jp/
(C)2008 フジテレビジョン/ROBOT/東宝
≪あらすじ≫
事故で頭を打って以来寝るとその日にあったことを全て忘れてしまう「高次脳機能障害」を負ってしまった青年が学生プロレスと出会い、頭で憶えていなくても体が覚えていることで生きる実感を取り戻していく青春感動ストーリー。
【今回紹介した作品】
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【小泉徳宏監督プロフィール】
高校在学中の課題で映像制作と出会い、大学進学と同時に自主映画の制作活動を開始。
2006年、映画『タイヨウのうた』で劇場長編映画デビュー。
今作が、メジャー2作目の監督作品となる。

