2009年06月07日

その発端

その発端

何事にも発端というのがある。スピリチュアリズムの発端は、
ニューヨーク州に属するとはいえ今なお人家の少ない片田舎でのポルターガイストだった。

話はほぼ百五十年前にさかのぼる。日本では世界へ門戸を開く大変革の幕開けとなる嘉永元年に相当する。
五大湖の一つのオンタリオ湖に近いロチェスター市のハイズビルという村で、ある騒動が起きた。

1847年の暮れのこと、その村に家を新築中のフォックス家の家族四人が、完成までの仮住まいとして、
中二階の木造家屋に移り住んだ。家族はフォックス夫妻と娘二人、マーガレット(12)とケート(9)であるが、
他にはすでに嫁いでいる長女リーアと、すでに独立している二人の息子がいて、家族全体としては七人だった。

さて、移り住んですぐから、四人は何となく騒々しい家だという印象を受けたという。家のどこかで音がするのである。
それが、年が明けてからは家屋全体が揺すられたり、眼に見えない人が家中を歩いているような足音がするようになった。

ただ、それはいつも夕刻からで、昼間は何事もなかった。それが翌年の三月に入ってから安眠できないほど頻繁になり、
寝る前には両親がローソクを手にして家中を見て回り、ドアがひとりでに開いたりするとフォックス氏がすぐに飛んで行って調べるのだが、
人影は見当たらない。

そうしているうちに、いよいよ歴史的な一日となる三月三十一日がやってくる。
当日は朝から吹雪で、昼間のうちに息子のデービッドがやって来て母親から不思議な現象の一部始終を聞かされたが、
「そんなの、そのうち笑い話になるよ」と言い残して昼間のうちに帰って行った。

夕方になっても吹雪は止まず、今日は早く寝ようということになり、二人の子供は両親と一緒に寝ることにして、
ベッドを両親の寝室へ運び入れた。そして家族四人がベッドに入った時に母親が
「今日だけは何が起きても口をきいては駄目よ」と言いつけた。ところが、母親がそう言い終わるのと時を同じくして

二人の子供が口をそろえて、「あ、やっぱりいる」と叫んだ。

二人には霊視能力があったのである。母親が身を起こして「口をきいては駄目と言ったでしょ!」と叱るように言って、また横になった。
ところが、それに反抗するかのように音が激しく、そして大きくなった。二人の娘は堪らなくなってベッドの上に起き上がった。
母親が夫に「窓の音じゃないでしょうね?」と言うと、フォックス氏がベッドから出て来て窓を一つ一つ点検して回った。
確かに吹雪なので、どの窓も少しは音を立てていた。

その時ケートは、フォックス氏が両手で窓を揺するごとに同じような音が寝室でもすることに気付いた。
そこでケートは天井の方を向いて
「コレ、鬼さん、あたしのするようにしてごらん」と言って、指と指とでパチンと鳴らしてみた。
すると空中でも同じような音が鳴った。これが人類史上に残る大発見の端緒になるとは、その時の四人は知る由もなかった。



霊との交信の始まり

ケートには霊視能力があったようなので、空中に何やら人影のようなものがあるのを感じ取っていた。
そこでその影に向かって、わざと音を出さずに親指と人差し指を合わせて鳴らす仕草をしてみた。
すると音が返ってきた。そこで母親に

「ママ、見て、ほら!」と言って、さっきと同じ仕草をしたところ、その仕草の回数だけ空中で音がする。
それを見て母親はその「鬼さん」にはケートの言葉が聞こえ、さらに自分達の姿が見えていることに、あるものを直感して叫んだ。

「十回鳴らしてみて!」

すると間違いなく十回続けて音がした。さらに聞いた。

「娘のマーガレットの歳は?」

十二回鳴った。

「じゃ、ケートは?」

九回鳴った。どちらも正確である。一体何者だろうか。自分の想念がこだましているのだろうかとも考えたが、
それは次の質問と返答が打ち消した。

「私の子供は全部で何人?」

七つ鳴った。六人しかいないのに、これは間違いだと思った。そこで、

「もう一度鳴らしてみて?」と頼むと、やはり七回鳴った。その時母親の脳裏をよぎるものがあった。そこで尋ねた。

「七人とも生きているの?」これには何の返答もない。

「じゃ、生きているのは何人?」これには六回鳴った。

「死んだ子供は何人?」と聞くと一回だけ鳴った。

確かにフォックス夫人は幼い子供を一人亡くしている。この返答には明らかに知性がある。
自分の妄想ではない。となると・・と考えて

「あなたは人間なの?」と聞いてみた。

返事がない。地上に生きている人間ではないということだろうか。そう思ってさらに尋ねた。

「じゃ、霊(スピリット)なの?」

肯定するかのような響きの叩音(ラップ)が鳴った。ここで夫人は事の重大さを直感して、第三者に立ち会ってもらおうと考えた。
そこで尋ねた。

「近所の人達を呼んでもいいかしら?」

「いい」と言わんばかりのラップが鳴った。
Posted at 10:00 | この記事のURL | コメント(0) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
コメントを書く
名前:

Email:

URL:

クッキーに保存
  コメント:
太字斜体下線打ち消し線カラーパレット大得大小引用左寄せ中央寄せ右寄せURL絵文字

画像認証:下の画像に表示されている文字を入力してください。


コメント
フォト一覧を見る
芸能人が集まる無料ブログ。スタ☆ブロでブログを開設する!

3位飯田圭織
7位菊地美香
8位Kalafina
9位増田俊樹