東京のJR山手線の電車内にあるディスプレイに表示されている
山手線トレインチャンネルは、首都圏に住む人にとっては
もうすでに見慣れたものとなっている。
電車の中の広告と言えば吊革広告が一般的であるが、
気づくと山手線で移動している間ずっとこのディスプレイを眺めていた
なんて人も多いのではないだろうか。
このように、モニターを使った新しい情報・広告媒体をデジタルサイネージと呼び、
ここ数年の間に企業などから大きく注目されている。
デジタルサイネージとは、デジタル技術を活用して表示や通信を行うことで、
従来の印刷物を使ったポスターや看板に代わって
平面のディスプレイやプロジェクタ等によって映像や情報を表示する
新たな公告媒体である。
デジタルサイネージの利点は、一度印刷してしまうとその後は表示している内容が固定されて、
新しい物に貼り替える以外に別の公告が表示できない既存のポスターや看板と異なり、
ネットワーク上のサーバーとデジタル通信を行うことで
新しい表示内容をいつでも受信が可能であるということだ。
デジタルサイネージの端末モニターは、この新しい情報を受信すると
内蔵する記憶装置に多数の広告映像や動画といった表示情報を保持することで
必要な場合には秒単位で表示内容を切り替えたり動画表示を行なうなど、
視聴者の関心をより効果的に引き付けたり興味を維持したりするために
その瞬間瞬間で最適な映像広告の選択を、保持している多様な情報から行なえる。
デジタルサイネージは、画像処理技術やネットワーク技術といった
デジタル関連の新技術を利用することで
今後ますますの発展や振興が計画されている分野である。
上に掲げたような利点によって、デジタルサイネージはテレビCMのように不特定多数に同時刻に同じ公告を流すのではなく、
設置するエリアごとの地域性を考慮した視聴者ターゲットの設定を行い、
その特定層に焦点を絞った公告メッセージを発信することができる。
この際に表示する映像内容も、通信ネットワークを使用してリアルタイムな操作が可能で、
その場所ごとの環境に即して公告内容を随時配信や変更することができる。
例えば現在スーパーの食品売り場担当者は、
主婦層の取り入れる情報に常にアンテナを張っており
午後のワイドショーの番組内容によって商品の配置を変更し
「今日の○○で紹介されました!!」と大急ぎでPOPを書き直しているが、
デジタルサイネージを使えば一括で最新情報の更新ができる。
このデジタルサイネージの普及に伴って、通信会社にも変化が起こる可能性がある。
これまでのような独立型ではなく、情報のネットワーク配信に力を入れていく型を提案することで
保持している高速光回線というインフラ設備の利用に拍車をかけていきたい。
なによりも、自社の配下にある携帯電話という最強端末の有効活用が期待される。
認証や持ち主の嗜好の特定、位置情報や効果測定など、応用範囲は無限大である。
またここの企業のように
デジタルサイネージのコンテンツ製作や配信管理を行う外部委託企業も数を増やしてきている。
デジタルサイネージという技術分野と合わせて、
これからの動向に期待したいものである。