2008年08月18日

フリーメーソン

フリーメーソンリー(自由な石工)の起源は、伝説によるとエルサレムのソロモンの大神殿を建設した建築家達に遡るという。だが、これは勿論、伝説であって、信憑性は無い。
 フリーメーソン(freemason)が、最初に歴史の記録に現れるのは、1378年にカンタベリー大主教が出した勅許状であり、少なくともこの時代には存在していたことが分かっている。
 そして、その起源は、1276年に神聖ローマ帝国がストラスプールの大聖堂の建築に携わる石工職人のギルド(同業組合)に労役と税金を免除したことが始まちだと言うのが定説である。

 フリーメーソン、より正確にはフリーメーソンリーは、もともと、大聖堂や修道院、宮殿や城を建築する石工職人達の同業組合から発展したものである。こうした職人達の間で有名なのはパーラー家であろう。
 こうした同業組合はヨーロッパ各地に点在していた。
 彼らは大きな建築事業に従事していたわけだが、そんな大きな事業は、そうそう一つの国や領地に限定されるものではない。そんなわけで、彼らはヨーロッパのあちこちを旅して回らなければならなかった。こうなると、どうしても同業者同士の連帯関係、信頼関係が重要になってくる。
 また、彼らは当時としては最先端のテクノロジーに通じた技師でもあった。そこで、こうした技術のノウハウを、お互い情報交換したり、あるいは逆に企業秘密にして選ばれた者のみに伝授する必要にも迫られた。
 ことに、中世において、建築技術は特別視され、「王者の技術」とさえ呼ばれた。もともと職人と言うのはプライドが高いものだが、石工達は城や宮殿の建築で当時の権力者達と交わり、また大聖堂建築のように、「神のため」の仕事に従事したりするから、尚更であった。
 それに加えて、大規模な建築には、建築学のみならず工学、物理学、数学、幾何学、美術という途方もない量の高度な知識と技術の集大成でもあった。そのうえ、建築物の装飾には、様々な暗喩を含んだシンボルも用いられたため、宗教思想や哲学やある種の秘術的な学問も絡んでくる。
 もちろん、こうなると、この「王者の技術」は、先に述べた通りの企業秘密の保持の他に、神秘性も帯びて来て、「高貴な秘められた知識と、それを得るための技」を伝承していると考えられるようになった。さらに、これは選ばれた者にのみ伝授される秘密の奥義ということにもなった。

 もともと、こうした同業者組合には、一種の入門儀礼、イニシエーションが存在した。
 とは言うものの、最初はそんな大仰に構えるようなものではない。今でも看護婦の戴冠式や医者のヒポクラテスの誓いみたいな職につくための儀式がある。それに近いものだった。
 そう、入門儀礼や技術の秘伝伝授は、何も石工ギルドの専売特許ではない。どこのギルドにもあった。

 しかし、石工の場合は、「王者の技術」を伝える奥義伝授の意味が加えられたたtめ、そのイニシエーションは、神秘性を帯びて来て、秘教結社と思われるようになって行ったのである。
 そしてさらに、入門儀礼も秘密裏に行われ、ヒラム・アビフ伝説のような各種の伝承や秘儀を口述伝授し、独自のシンボルや合言葉を使った儀式を制度化してゆくうちに、いつの間にか入社的秘密結社へと変貌してしまったのである。

 

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