作品は、集団肖像画の4作品(4作品目はこちら)のほか、花の絵は、もっともアンリ・ファンタン・ラトゥールを高名にしたのではないでしょうか。
オールドローズの品種にも名づけられたアンリ・ファンタン・ラトゥール。
こちらは、油彩で1878年の作品で「花瓶の牡丹(西洋芍薬)と手毬花」です。
芍薬、菊と日本に馴染み深い花も多く描かれています。当時の英国は、日本の菊を育てていた記憶があります。また、アンリ・ファンタン・ラトゥールの菫も愛らしい。ギュスターヴ・クールベに傾倒し、のちにホイッスラーや印象派のマネらと交流をもちます。
音楽家ワーグナーに心酔したアンリ・ファンタン・ラトゥールは、石版画などの作品に、彼のオペラを作品の題材にしていますが、この花にも、ワーグナーの影響を受けているとされています。
スティル・ライフ ピンク、白と黄色の薔薇
ガラスの花瓶の黄色いピンクの薔薇 1903年
白い薔薇の花 1871年
薔薇 1881年
ガラスの花瓶の黄色いピンクの薔薇 1903年
白い薔薇の花 1871年
薔薇 1881年
まるで写真のように、花弁1枚1枚が生きているようです。大輪の花は下に、少し小さめの花を高くいけ、アレンジメントや生花の基本を忠実に描いています。
この細いシャンパングラスのような花瓶に数本の花という構図で、アンリ・ファンタン=ラトゥールは、何枚も描いています。
もしかすると、アンリ・ファンタン=ラトゥール自身がアレンジメントを施したのではないかと思うくらいです。
セザンヌやルノワール、マネやゴッホらが描く花瓶の花とは違い、バスケットやボール、小さなトレーなどに、現代のフローリストがアレンジするような感覚を受けるのです。
薔薇 年代不詳
ボールの薔薇
薔薇 年代不詳薔薇 1899年
ボールの薔薇
薔薇 年代不詳薔薇 1899年
アンリ・ファンタン・ラトゥールは、オディロン・ルドンに石版画の指導をしていた時期がありましたが、ルドンの描鮮烈な色彩の花に比べ、短い命の花の儚さに色づけしているようです。
そのほかには、果実と花、ティーセットをはじめとするテーブルウェアと花という具合に、花が傍役として描かれていたりもするのです。