2006年11月11日

ノーベル賞晩餐会 プロトコル


1998年 ノーベル賞晩餐会 nobelprize.org

12月10日は、いよいよノーベル賞晩餐会が開かれます。スウェーデンのロイヤルファミリーが勢ぞろいし、各国のマナー(プロトコル)やスピーチ、ダンスなど、受賞者が忙しくなる季節でもある11月。ノーベル財団では、受賞者の7日間をさまざまなカタチで、サポートしていきます。

当日、ストックホルム・コンサートハウスにリムジンが到着しますと、ロイヤルファミリーの登場です。午後の最初は、コンサートハウスの授与式からスタートします。授与式での、スウェーデン王への儀礼に「握手」があります。そのあと後退する歩数なども決められており、受賞者たちは、当日までに、こういったレッスンなどを受けます。

おもしろい話には、これまでの受賞者には、「Tail coat」(燕尾服)を持っていない。さぁ、大変!からはじまって、ダンスのステップはどうするの?などというところから逸話がたくさん生まれました。ひとつに、19世紀、20世紀のヨーロッパは、芝居小屋がたくさんあり、そこの小道具部屋から借りたなどというエピソードが残っています。ドレスコードは、男性はテールコート、女性はイブニングです。


1999年 ノーベル賞晩餐会(ノーベル バンケット)nobelprize.org

プロトコルという世界共通マナーは、日本人のプロトコルの歴史の発端にあげられた「西洋料理の食べ方」から導入されましたが、その所以が現代にも根強く残っているのではないでしょうか。宮内庁の晩餐会にいたしましても、「食事のマナー」、「正装スタイル」、「やりとりの仕方」などに注意が動くようです。つまり個人の「恥」への防衛対策です。

大切なことは、その行動、言動が、その迎えられた国での「国辱」にならないか、また自国の「国格」を下げることにならないか、ということです。それがプロトコルなんです。

「国辱」には、うっかり男性が先に着席してしまったという、ちょっとした行動が、そのように見なされることになります。また、立ち上がったときに男性が、ズボンを直すしぐさもマナー違反です。

カトラリー(フラットウェア)の柄び飾りもが、表にあらわれるのが英国式です。フランスでは、食事の前には伏せて置くため、裏にあたります。これはイギリスに対し、フランスの流儀を強調しています。以前の記事にも書きましたが、食事のスタイル、グラスやカトラリーの配置は違います。ホステスする側も、ゲストもテーブルのセッティングによって、フランス式かイギリス式かを判断し、特にスープの飲み方には気をつけなければなりません。


ノーベル賞90周年を記念して晩餐会に使用されたカトラリー
「YAMAZAKI(山崎)」nobelprize.org

では、スウェーデンのノーベル賞晩餐会では、どちらのスタイルでしょうか。英国式スタイルになっています。ちがいは、グラスやカトラリー(フラットウェア)を一直線上に配置する英国式か、ジグザグに配置するフランス式かということです。でも、よくご覧ください。「左側」と「右側」と考えるとフラットウェアは、ジグザグです。左側のカトラリーは、右側のカトラリーより、上に配置されています。そして、フランス式のように、(パン皿)、バターナイフとデザートスプーンの配置はフランス式になっています。(アメリカ、イタリアもまた作法は違いますね。)

ここで、クロスをご覧ください。ランチョンはありませんよね。ディナーには本来ランチマットは使用しません。ランチの時に使用するものです。それから、日本が一般的なミックスマナーで、パンにフォークを用いてソースをつけるというのは、キリスト教からみると、好ましくありません。

このスウェーデンでのノーベル賞晩餐会は、「公平」ということが象徴されています。それは料理のメニュー、セッティング、接待すべてにわたって、あらゆる国の人々へ。盛大でありながら、仰々しくない晩餐。

最近は、いたるところでパーティーがあります。そういったシーンでは、意外にも省略された形式と気軽さが多くなってきたようですが、プロトコルの知識が必要であるパーティは、一般の民間人にも多くなってきましたね。日本が他国から愛されるような「おもてなし」の気持ちがあれば、それは立派なマナーなのかもしれませんね。

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