| ソウル・フラワー・ユニオンD / すべての子どもたちに幸せな寝顔を 2008年01月21日(Mon) |
昨日は取材終わりの昼2時頃、下北沢に立ち寄った僕。
目的は仕事関連のCD探しだったんだけど、
その前にはカミさんが友達と食事をするために、
ホノと一緒に下北にいるはずなのでした。
なので、もしタイミングが合えばと
思ってた程度だったのですが、
駅を出てすぐのところで
自分の食事場所をどこにしようか迷ってたら
どこからともなくホノの声が……。
なんと、カミさんとホノが僕の後ろを歩きながら
駅に歩いていくところでした!
声をかけたら喜んで寄ってきてくれるホノ。よしよし。
その後一緒に、僕はドリアを、
ふたりはケーキを食べたのでした。
まあホノは当然僕のご飯も食べてましたが(笑)。
しかし同じ街にいるのがわかっていたとはいえ、
なんか面白い会い方だったな。
こういうの、普通のパパじゃありえないですよね。
感謝感謝。
今回は、過去に子どもネタを取り上げた
ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬!
彼の自宅に取材で訪れた時の話をします。 |
このコソロックの去年11月12日の回で
京都に行ってきたことをチラッと触れてますが、
それはこの中川宅での取材だったのです。
この時の記事は『音楽と人』1月号に掲載されました。
ちょうど中川くんが上京するタイミングがなくて
こちらから出向くことになったのです。
インタビューはしょっちゅうやってるけど、
ミュージシャン本人の家で取材するなんて
めったにないですね。
中川くんの住まいは
京都府下の大阪にほど近い街にありまして。
朝から新幹線に乗り、
編集長の金光さんとカメラマンの喜多村みかさん(美女)と
一緒に向かいました。
マンションに到着すると、中川くんが出迎えてくれて。
そして扉を開けると、息子さんが元気に笑ってました!
この子の名前が<ゆめ>ちゃん。
5月に生まれたので、
取材の日はもうすぐ6ヵ月になる時期でした。
僕たちが部屋に入ると、
大きな目をキョロキョロさせて見つめるゆめちゃん。
元気元気。
中でもカメラマンの喜多村さんにはうれしそうに接近します。
うーん、大きな目としっかりした頭周りが
パパそっくり……。
と言うと、「よう言われんねん(笑)」と中川くん。
そうでしょうそうでしょう。
まず撮影はこの中川父子のツーショットを室内と近所にて。
ゆめちゃん、今日が初取材とのことです。
中川くんもすっかりいいパパぶりを発揮し、
愛息をかわいがりながら服を着せたりします。
外では、父親ひとりの撮影もちょっとだけあったので
その間は僕がゆめちゃんを抱っこ。
こんな小さい子を抱くの、ひさしぶりだなあ……
軽〜い!
なんか感動。
ホノもこのぐらい小さい時あったもんね。当たり前か。
また、普通にしっかり抱っこできている自分にも感心。
これも当たり前ですな。
そんな僕について中川くん、ゆめちゃんに向かって
「NHKにも出てた有名なお兄ちゃんやで〜」とひとこと。
いや、そんな……。
もちろん言葉がまだわからないゆめちゃんは
ただキョトンとしてるだけですが(笑)。
とまあ撮影も無事に終わり、再び部屋に戻り、
いよいよパパにインタビュー開始!
今回はマキシ・シングル「寝顔を見せて」に関しての取材でした。
――今は一日、どんな生活ですか。
「人に参考にされたら困るけど(笑)、
まあ昼すぎに起きて……ダラダラしてるよ。
何やかんやでグズったら抱っこしたり、オムツ替えたり。
ここの下に通称<魂花神社>って呼んでる
ミニ・スタジオがあって、そこに作業ちょっとしに行ったり。
そんな感じやね」
――買い物とかも行く?
「あ、買い物行くねぇ。
パンパース、すぐなくなるからね(笑)。
あとハイハイするまでの時期に、家の中、
膝より下の位置に物がないような状況にしなあかんから、
棚を作ったりしてるね」
と、ここでゆめちゃんが……。
ゆめちゃん「ア、ア〜ア!」
「うんうん、はいはい。
そろそろオッパイなんかな(笑)」
ということで、ママに別室に連れて行かれました。
いい雰囲気です。
前にも書きましたが、中川くんは以前、
同じソウル・フラワーの伊丹英子さん(現在は沖縄在住)の
娘さんの育児を手伝ったことが有意義だったみたい。
ゆめちゃんをとにかく大らかに育てているようでした。
「いや、もう楽しもう思ってるかな、これに関しては。
で、あんまり<親になりたい>っていう感覚がないねん。
(中略)
遊び相手いう感覚」
――俺は子供に対して、自分が親だってことを意識したけどね。
自分の行動が子供の手本になっていく気がしてさ。
「あ、それはあるよね。
だから俺を手本にしてくれたらいいなぁと
思ってんのやけどね(笑)。
とりあえず無類の女好きになってほしいなと。
立派なパンク・ロッカーになってもらおう!」
――(笑)さっきの喜多村さんへの反応を見ると、
すでに充分女好きな気がしたけど。
「うん、すごい好きやで。
女の子来ると大喜びやねん(笑)」
――そもそも中川くんは、
自分が子供を持つことをイメージしてたの?
「いやぁ、してなかった。
子供っていうものがあんまいない“社会”やったからね、
ソウル・フラワーの世界は」
――まあ普通そうだよね、若い頃のバンドっていうのは。
「でも5年前にそらちゃんが生まれて……
<子供ってええなあ>と気づかせてもらったね。
で、30代後半になって初めて子供が近くにやってきたっていう
タイミングもあったんちゃうかな。
たぶんこれがニューエスト・モデル(現在のバンドの前身)を
バリバリやってる20代中盤とかやったら、
ここまで関心持ってなかったような気がすんねん。
連れ合いに任せっきりにして、
子供のことなんかまったく見ぃひんような
親父になったんちゃうかな」
と、ここで曲の話。
「寝顔を見せて」はまさにララバイ(子守唄)な曲ですが、
もともとは先ほどの伊丹さんのところの
<そら>ちゃんがきっかけで生まれたとのこと。
「沖縄に遊びに行った時、窓際のとこで寝ててさ。
で、子供ってペンとかクレヨンでいろいろ描いて手汚して、
すごいことになるやん?
歌詞の<きれいなまだらの羽根を閉じて>ってのは
手のひらのことやねん。
その汚れた手のままで寝てるのが、すごいかわいくて」
そう、子どもってペンで手を汚すの、
全然平気なんだよね。
ホノも何か描いてる時は夢中で、何が付こうが関係なし。
こないだも療育施設で筆を使って何かを書くことがあって、
もう墨汁を手につけて豪快に書いていたそうです(笑)。
で、ゆめちゃんは夜鳴きが激しいとのこと……。
その際は「ありさん」の歌や
チューリップの「しっぽの丸い子犬」という曲を
唄ってあげるんだって。
「まあ俺は、この人(ゆめちゃん)がやりたいことを
サポートしようとは思ってるよ。
危険なことはもちろんストップかけないかんし、
1日オチンチンばっか触ってたら
『触りすぎやぞ』とか言うと思う(笑)。
でも狭い文化的価値観の中に閉じ込める気はまったくない。
他人に『箸の持ち方ぐらいは
ちゃんと教えたほうがいいよ』って言われたら、
『いや、アジアやアフリカではけっこう手で食う文化とかが
あってやな』という話になるわけよ」
――おお! 出ました、中川節!
「<一番大事なのは楽しく食することや>というのが
俺にはあるわけ。
手であろうが箸であろうがスプーンやろが。
文化もあるねんね、こういうことには」
――それは中川くんの<国境なんてこの何百年で
人間が勝手に作ったもんだ>みたいな発想と同じだよね。
「そうやね。
だから自分の価値観や考えてることが、
そのまま子育てにも反映すると思うんやけど。
大変なのは地域社会との関わり合いが出てくるやん?
幼稚園、保育園ってなっていくと。
そこで俺はまたちょっと考えなあかんことが出てくる気がする。
だって<君が代>を唄わそうとしてる幼稚園が
あるぐらいやで、今?
そんなん許せるか?
『<満月の夕>に変えろや!』って乗り込まなあかん(笑)」
――ははははは。
「まあ<人生は楽しいんや>ということを
教えたいなと思うけどね。
<人生は遊びやで>みたいな(笑)。
あと食いっぱぐれた時のために
歌とギターぐらいは教えときたいね」
おお。
じゃあホノもダンスでも習っとくか?
さて、こういういかにもほのぼのとした会話は、
実は「どんどん引き出してください」と
金光編集長が依頼してくれたことでもある。
こういうのはお安い御用なんだけど、
「寝顔を見せて」の中には違う意味で気になる曲があった。
それがカップリングの1曲、島唄調の「辺野古節」だ。
沖縄で、<普天間代替施設>と呼ばれながら
新しく米軍基地が造られようとしている地域、
それが辺野古(へのこ)。
ここでは建設反対を訴えている人たちが
非暴力のまま活動を頑張っているという話を聞いていた。
その辺野古の名前を歌にしたのは、
少しでも現状を知ってほしいという
中川くんの気持ちがあった。
やはりソウル・フラワーには、
子どもへの愛情を唄うのと同時に、
社会の中で生きていくことへの視点も息づいていた。
そして……沖縄では、
イラク戦争で爆撃に参画したF-15戦闘機やヘリコプターが
この島から飛び立っていったことで
「加害者の側に立っているのでは」という議論があるのだそう。
それはつまり、日本が、ってことなんだけど……。
中川くんはそうした会話を重ねたあとに、
こんなことをしゃべってくれた。
「俺、2、3年前、そらちゃんと、
ここの裏の小学校によく遊びに行ってて。
ウサギ小屋があるから、
そらちゃんが『ウサギさん見たい』って言ったら、
行かなあかんわけよ。
で、そらちゃん連れてウサギ見に行ってる時とか、
ふとビックリする時があるねん。
<こういう子らが空爆下にさらされてんねんな>って。
そういうの、子供とずっと遊んでるとあると思うけど……」
――うん、わかる。
俺も想像するもん、<こんなかわいい子たちが
殺されるようなことがあっちゃいけないな>って。
「うん。
すごい地続きやなっていうことが出てくるね、子供がいると。
だから<寝顔を見せて>と<辺野古節>は
テーマ的に離れたものを唄ってるつもりは自分の中にはない。
全部つながってる感じが最近ある」
――うん。
自分が感じることが曲になってるから、実はつながってると。
「あとは、あらゆる横に広がっていく連続性――
<この空はイラクの空につながっている>(「そら」の詞の引用)
という連続性もあれば、
俺の周りの子供から年寄りまでの連続性ね。
年寄りや子供っていう特殊な人間がいるわけじゃない。
俺らも子供やったし、石原慎太郎もオッパイ飲んでたわけやん?
で、ゆくゆく老いる。
この2、3年、どちらのほうに対しても連続性を感じながら
音楽を作ってるかな。
出会いの中ですごく学ばせてもらってるかな」
自分が子どもを授かったことも<出会い>という彼。
インタビューは最後、ゆめちゃんに対しての言葉で終了。
「もう無類の女好きになっていただいて(笑)。
俺のやりきれなかったこともやっていただこうかなと。
(セルジュ・)ゲンズブールみたいに、
葬式にはそれまで付き合った女全員が集まるぐらいに
なってほしいね(笑)」
時間はまだ夕方前でしたが、なにせこちらは日帰り出張の身。
どうせならホノをお風呂に入れる時間までに帰宅したいので、
中川宅からは2時間ほどで退出し、
東京にUターンしていった僕でした。
やっぱり子どもたちが
殺されるようなことはあってはいけないね。
もちろん大人も、人間みんながそうなんだけど、
子どもはとくにそうだ。
子どもたちには、僕たちが託すべき未来があるんだから。
18年ほど前に、ただの一ファンとして
ライヴを観たりCDを買い始めたニューエスト・モデル。
それからバンドはソウル・フラワー・ユニオンになり、
僕は今の仕事を始め、取材で関わるようになっていきました。
そうした中で自分に子どもができて、
そして今度は中川くんにお子さんができて。
その取材でふたりに会えるなんて、
いやぁ自分も人生を生きているな〜、と思えた京都取材でした。
どうか世界に平和を。
すべての子どもたちに、幸せな寝顔を! |
| Posted at 23:48
| ソウル・フラワー 子どもの誕生が音楽にもたらしたもの
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Posted by:むうみん at 2008年01月29日(Tue) 00:23
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Posted by: 吉本晴香 at 2008年01月28日(Mon) 00:35
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中川さんがお父さん、というのはいまいちピンと
来てなくって、やっと実感できました。
と書いているワタクシも1歳半の娘を持つ母です。
出産1週間前に見たのは、モノノケのライブでした。。。
子連れでライブに復活するのが、すごく楽しみです。
(まだもう少し先かな)
子どもを持つと、物ごとを見る観点が変わってくるから
不思議です。
この子が大きくなる頃、どんな世の中になっているだろう?
と考えて、行動するようになりました。
これからソウルフラワーの音楽がどう変わっていくかも
楽しみです。