♪ジャーナリスト/ライター 青木 優のブログ・コラムです!                                                  ただいま7才の娘の子育てに参加しながら働く父親です。                                                ここでは、古今洋邦のミュージシャンたちの育児観・子ども観について語りまくっております♪                         通称「コソロック」!!  リンクフリーですので、よろしくっ☆                                               ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆   Twitterでは you_aoki


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ソウル・フラワー・ユニオンD / すべての子どもたちに幸せな寝顔を  2008年01月21日(Mon)

昨日は取材終わりの昼2時頃、下北沢に立ち寄った僕。
目的は仕事関連のCD探しだったんだけど、
その前にはカミさんが友達と食事をするために、
ホノと一緒に下北にいるはずなのでした。
なので、もしタイミングが合えばと
思ってた程度だったのですが、
駅を出てすぐのところで
自分の食事場所をどこにしようか迷ってたら
どこからともなくホノの声が……。
なんと、カミさんとホノが僕の後ろを歩きながら
駅に歩いていくところでした!

声をかけたら喜んで寄ってきてくれるホノ。よしよし。
その後一緒に、僕はドリアを、
ふたりはケーキを食べたのでした。
まあホノは当然僕のご飯も食べてましたが(笑)。
しかし同じ街にいるのがわかっていたとはいえ、
なんか面白い会い方だったな。
こういうの、普通のパパじゃありえないですよね。
感謝感謝。


今回は、過去に子どもネタを取り上げた
ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬

彼の自宅に取材で訪れた時の話をします。
このコソロックの去年11月12日の回
京都に行ってきたことをチラッと触れてますが、
それはこの中川宅での取材だったのです。
この時の記事は『音楽と人』1月号に掲載されました。


ちょうど中川くんが上京するタイミングがなくて
こちらから出向くことになったのです。
インタビューはしょっちゅうやってるけど、
ミュージシャン本人の家で取材するなんて
めったにないですね。

中川くんの住まいは
京都府下の大阪にほど近い街にありまして。
朝から新幹線に乗り、
編集長の金光さんとカメラマンの喜多村みかさん(美女)と
一緒に向かいました。

マンションに到着すると、中川くんが出迎えてくれて。
そして扉を開けると、息子さんが元気に笑ってました!
この子の名前が<ゆめ>ちゃん。
5月に生まれたので、
取材の日はもうすぐ6ヵ月になる時期でした。

僕たちが部屋に入ると、
大きな目をキョロキョロさせて見つめるゆめちゃん。
元気元気。
中でもカメラマンの喜多村さんにはうれしそうに接近します。

うーん、大きな目としっかりした頭周りが
パパそっくり……。
と言うと、「よう言われんねん(笑)」と中川くん。
そうでしょうそうでしょう。


まず撮影はこの中川父子のツーショットを室内と近所にて。
ゆめちゃん、今日が初取材とのことです。
中川くんもすっかりいいパパぶりを発揮し、
愛息をかわいがりながら服を着せたりします。


外では、父親ひとりの撮影もちょっとだけあったので
その間は僕がゆめちゃんを抱っこ。
こんな小さい子を抱くの、ひさしぶりだなあ……
軽〜い!
なんか感動。
ホノもこのぐらい小さい時あったもんね。当たり前か。
また、普通にしっかり抱っこできている自分にも感心。
これも当たり前ですな。

そんな僕について中川くん、ゆめちゃんに向かって
NHKにも出てた有名なお兄ちゃんやで〜」とひとこと。
いや、そんな……。
もちろん言葉がまだわからないゆめちゃんは
ただキョトンとしてるだけですが(笑)。


とまあ撮影も無事に終わり、再び部屋に戻り、
いよいよパパにインタビュー開始!
今回はマキシ・シングル「寝顔を見せて」に関しての取材でした。

寝顔を見せて
3d system(DDD)(M)


――今は一日、どんな生活ですか。


人に参考にされたら困るけど(笑)、
まあ昼すぎに起きて……ダラダラしてるよ。
何やかんやでグズったら抱っこしたり、オムツ替えたり。
ここの下に通称<魂花神社>って呼んでる
ミニ・スタジオがあって、そこに作業ちょっとしに行ったり。
そんな感じやね



――買い物とかも行く?


あ、買い物行くねぇ。
パンパース、すぐなくなるからね(笑)。
あとハイハイするまでの時期に、家の中、
膝より下の位置に物がないような状況にしなあかんから、
棚を作ったりしてるね



と、ここでゆめちゃんが……。


ゆめちゃん「ア、ア〜ア!


うんうん、はいはい。
そろそろオッパイなんかな(笑)



ということで、ママに別室に連れて行かれました。
いい雰囲気です。
前にも書きましたが、中川くんは以前、
同じソウル・フラワーの伊丹英子さん(現在は沖縄在住)の
娘さんの育児を手伝ったことが有意義だったみたい。
ゆめちゃんをとにかく大らかに育てているようでした。


いや、もう楽しもう思ってるかな、これに関しては。
で、あんまり<親になりたい>っていう感覚がないねん。

(中略)
遊び相手いう感覚


――俺は子供に対して、自分が親だってことを意識したけどね。
 自分の行動が子供の手本になっていく気がしてさ。


あ、それはあるよね。
だから俺を手本にしてくれたらいいなぁと
思ってんのやけどね(笑)。
とりあえず無類の女好きになってほしいなと。
立派なパンク・ロッカーになってもらおう!



――(笑)さっきの喜多村さんへの反応を見ると、
 すでに充分女好きな気がしたけど。


うん、すごい好きやで。
女の子来ると大喜びやねん(笑)



――そもそも中川くんは、
 自分が子供を持つことをイメージしてたの?


いやぁ、してなかった。
子供っていうものがあんまいない“社会”やったからね、
ソウル・フラワーの世界は



――まあ普通そうだよね、若い頃のバンドっていうのは。


でも5年前にそらちゃんが生まれて……
<子供ってええなあ>と気づかせてもらったね。

で、30代後半になって初めて子供が近くにやってきたっていう
タイミングもあったんちゃうかな。
たぶんこれがニューエスト・モデル(現在のバンドの前身)を
バリバリやってる20代中盤とかやったら、
ここまで関心持ってなかったような気がすんねん。
連れ合いに任せっきりにして、
子供のことなんかまったく見ぃひんような
親父になったんちゃうかな



と、ここで曲の話。
「寝顔を見せて」はまさにララバイ(子守唄)な曲ですが、
もともとは先ほどの伊丹さんのところの
<そら>ちゃんがきっかけで生まれたとのこと。


沖縄に遊びに行った時、窓際のとこで寝ててさ。
で、子供ってペンとかクレヨンでいろいろ描いて手汚して、
すごいことになるやん?
歌詞の<きれいなまだらの羽根を閉じて>ってのは
手のひらのことやねん。
その汚れた手のままで寝てるのが、すごいかわいくて



そう、子どもってペンで手を汚すの、
全然平気なんだよね。
ホノも何か描いてる時は夢中で、何が付こうが関係なし。
こないだも療育施設で筆を使って何かを書くことがあって、
もう墨汁を手につけて豪快に書いていたそうです(笑)。

で、ゆめちゃんは夜鳴きが激しいとのこと……。
その際は「ありさん」の歌や
チューリップの「しっぽの丸い子犬」という曲を
唄ってあげるんだって。


まあ俺は、この人(ゆめちゃん)がやりたいことを
サポートしようとは思ってるよ。
危険なことはもちろんストップかけないかんし、
1日オチンチンばっか触ってたら
『触りすぎやぞ』とか言うと思う(笑)。
でも狭い文化的価値観の中に閉じ込める気はまったくない。
他人に『箸の持ち方ぐらいは
ちゃんと教えたほうがいいよ』って言われたら、
『いや、アジアやアフリカではけっこう手で食う文化とかが
あってやな』という話になるわけよ



――おお! 出ました、中川節!


<一番大事なのは楽しく食することや>というのが
俺にはあるわけ。
手であろうが箸であろうがスプーンやろが。
文化もあるねんね、こういうことには



――それは中川くんの<国境なんてこの何百年で
 人間が勝手に作ったもんだ>みたいな発想と同じだよね。


そうやね。
だから自分の価値観や考えてることが、
そのまま子育てにも反映すると思うんやけど。

大変なのは地域社会との関わり合いが出てくるやん?
幼稚園、保育園ってなっていくと。
そこで俺はまたちょっと考えなあかんことが出てくる気がする。
だって<君が代>を唄わそうとしてる幼稚園が
あるぐらいやで、今?
そんなん許せるか?
『<満月の夕>に変えろや!』って乗り込まなあかん(笑)



――ははははは。


まあ<人生は楽しいんや>ということを
教えたいなと思うけどね。
<人生は遊びやで>みたいな(笑)。
あと食いっぱぐれた時のために
歌とギターぐらいは教えときたいね



おお。
じゃあホノもダンスでも習っとくか?

さて、こういういかにもほのぼのとした会話は、
実は「どんどん引き出してください」と
金光編集長が依頼してくれたことでもある。
こういうのはお安い御用なんだけど、
「寝顔を見せて」の中には違う意味で気になる曲があった。
それがカップリングの1曲、島唄調の「辺野古節」だ。

沖縄で、<普天間代替施設>と呼ばれながら
新しく米軍基地が造られようとしている地域、
それが辺野古(へのこ)。
ここでは建設反対を訴えている人たちが
非暴力のまま活動を頑張っているという話を聞いていた。

その辺野古の名前を歌にしたのは、
少しでも現状を知ってほしいという
中川くんの気持ちがあった。
やはりソウル・フラワーには、
子どもへの愛情を唄うのと同時に、
社会の中で生きていくことへの視点も息づいていた。


そして……沖縄では、
イラク戦争で爆撃に参画したF-15戦闘機やヘリコプターが
この島から飛び立っていったことで
「加害者の側に立っているのでは」という議論があるのだそう。
それはつまり、日本が、ってことなんだけど……。

中川くんはそうした会話を重ねたあとに、
こんなことをしゃべってくれた。


俺、2、3年前、そらちゃんと、
ここの裏の小学校によく遊びに行ってて。
ウサギ小屋があるから、
そらちゃんが『ウサギさん見たい』って言ったら、
行かなあかんわけよ。
で、そらちゃん連れてウサギ見に行ってる時とか、
ふとビックリする時があるねん。
<こういう子らが空爆下にさらされてんねんな>って。
そういうの、子供とずっと遊んでるとあると思うけど……



――うん、わかる。
 俺も想像するもん、<こんなかわいい子たちが
 殺されるようなことがあっちゃいけないな>って。


うん。
すごい地続きやなっていうことが出てくるね、子供がいると。
だから<寝顔を見せて>と<辺野古節>は
テーマ的に離れたものを唄ってるつもりは自分の中にはない。
全部つながってる感じが最近ある



――うん。
 自分が感じることが曲になってるから、実はつながってると。


あとは、あらゆる横に広がっていく連続性――
<この空はイラクの空につながっている>
(「そら」の詞の引用)
という連続性もあれば、
俺の周りの子供から年寄りまでの連続性ね。
年寄りや子供っていう特殊な人間がいるわけじゃない。
俺らも子供やったし、石原慎太郎もオッパイ飲んでたわけやん?
で、ゆくゆく老いる。
この2、3年、どちらのほうに対しても連続性を感じながら
音楽を作ってるかな。
出会いの中ですごく学ばせてもらってるかな



自分が子どもを授かったことも<出会い>という彼。

インタビューは最後、ゆめちゃんに対しての言葉で終了。


もう無類の女好きになっていただいて(笑)。
俺のやりきれなかったこともやっていただこうかなと。
(セルジュ・)ゲンズブールみたいに、
葬式にはそれまで付き合った女全員が集まるぐらいに
なってほしいね(笑)



時間はまだ夕方前でしたが、なにせこちらは日帰り出張の身。
どうせならホノをお風呂に入れる時間までに帰宅したいので、
中川宅からは2時間ほどで退出し、
東京にUターンしていった僕でした。


やっぱり子どもたちが
殺されるようなことはあってはいけないね。
もちろん大人も、人間みんながそうなんだけど、
子どもはとくにそうだ。
子どもたちには、僕たちが託すべき未来があるんだから。


18年ほど前に、ただの一ファンとして
ライヴを観たりCDを買い始めたニューエスト・モデル。
それからバンドはソウル・フラワー・ユニオンになり、
僕は今の仕事を始め、取材で関わるようになっていきました。

そうした中で自分に子どもができて、
そして今度は中川くんにお子さんができて。
その取材でふたりに会えるなんて、
いやぁ自分も人生を生きているな〜、と思えた京都取材でした。


どうか世界に平和を。
すべての子どもたちに、幸せな寝顔を!
Posted at 23:48 | ソウル・フラワー 子どもの誕生が音楽にもたらしたもの | この記事のURL | Clip!! | コメント(2) | トラックバック(0)

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コメント
ゆめくんの写真ありがとうございます。
中川さんがお父さん、というのはいまいちピンと
来てなくって、やっと実感できました。
と書いているワタクシも1歳半の娘を持つ母です。
出産1週間前に見たのは、モノノケのライブでした。。。
子連れでライブに復活するのが、すごく楽しみです。
(まだもう少し先かな)
子どもを持つと、物ごとを見る観点が変わってくるから
不思議です。
この子が大きくなる頃、どんな世の中になっているだろう?
と考えて、行動するようになりました。
これからソウルフラワーの音楽がどう変わっていくかも
楽しみです。
Posted by:むうみん  at 2008年01月29日(Tue) 00:23

中川さん、すっかりパパの顔ですね。思えば私も
学生の頃「ささやかなる反抗、のろしあげる抵抗!」
と叫ぶ中川さんに、共感しまくりでした。
ゆめちゃんもそらちゃんも、どんな風に
育つのでしょう?未来の彼女、彼を想像するのも
楽しいですね。
「幼稚園で満月の夕を」には大賛成です。震災
経験者の私には、今でも自然と涙が流れる1曲です。
13年も前。でも名曲は色あせないんですよね。
いつまでも。
Posted by:吉本晴香  at 2008年01月28日(Mon) 00:35










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青木 優 プロフィール

★<あおき・ゆう> 1966年、島根県雲南市(旧・大原郡)生まれ。

★1994年より音楽ライター/ジャーナリストの仕事につく。
 洋邦のロックを中心に、インタビューやレビュー、ライヴ・レポの執筆といった仕事はもちろん、音楽シーンの考察、対談および座談会の司会役もこなす。
 たまにラジオに、ごくたまにテレビにも出演。
 DJもやりますよ。

★現在の主な執筆誌は「テレビブロス」「音楽と人」「ぴあ」「WHAT’S IN?」「MARQUEE」「オリコBiZ」などなど。webでもちょこちょこ仕事してます。

★東京都文京区にて、カミさん(妻)、そして2003年秋に生まれた長女ホノと3人暮らし。

★そしてそして06年夏、かねてからアイディアをあたためてきたこのブログ・コラム「子育てロック」をスタートさせることができました。
 07年4月には親子でNHK総合テレビの番組『パパサウルス』に出演。そのほか、当<コソロック>への反響、じわじわといただいておりまする♪
 みなさん、ありがとうございます! どんどこ書きますので、どんどこ読んで、どんどこツッコんでやってください!

★Twitterは → you_aoki
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