| もっと刺激を〜豪華競演にクリエイティブな新境地の開拓…進化するコラボ |
ジャンルを越えた異種格闘はマーケティングの臨界点を塗り替える
コラボブームです。昨年で言えば、GLAY×EXILEやCrystal Kay×CHEMISTRY、ある意味ミリオンヒットの修二と彰もそう。しかもこのコラボブームは日本だけではないようで…。マライア・キャリーはネリーやトゥイスタをゲストラッパーに迎え見事復活〜 サンタナはミシェル・ブランチやスティーブン・タイラーをゲストボーカルに迎え自分は余裕でお馴染みの“官能のサンタナ節”を弾き倒しています。
異なるバックグラウンドを持つアーティストがコラボることで得られるハイブリッド効果としては、つまるところファンが2倍〜 売上も2倍〜 ベテランは若手と組むことで、ユーザーのジェネレーションを入れ替えることも可能。ジャンルを越えた異種格闘はマーケティングの臨界点を塗り替えることにも成功…、こう考えるとコラボって “いいことずくめ”なのですね。
ところで、いつ頃からこのブームは始まったのでしょう?
遡ること80年代中期、コラボブームの仕掛人は間違いなくストリート発信のヒップホッパー達です。サンプリングという手段が音楽をボーダレスに変えたのです。そこにはジャンルやカテゴリーという垣根は存在しません。そして、このストリート発のエネルギーをミュージックビデオというメディアが世界中に配信したのです。PVはコラボの証を音だけでなく映像で具体的にアピールできます。RUN DMCが「ウォーク・ディス・ウェイ」(86)でエアロスミスを音源とPVでフィーチャリングした、あの衝撃から20年、コラボの形は無限大に広がったのです。
音楽の構造改革を果たしたコラボ
じゃあカメダ的には、「どんなジャケットがお好み?」って話。06年上半期の僕が選ぶJ-POPの代表的なコラボに、スチャダラパーと小沢健二の「今夜はブギーバック」(94)がありますね。この曲を境にJ-POPでもコラボ症候群が急増。当時のコラボは「同じ匂いのするアーティスト」が作品の上で“競演”するスタイルが主流でした。アーティストが何をやりたいのか?そして、それをとりまく“シーンの元気度”が明確に伝わってくるコラボ。ところが最近はちょっと意味合いに変化が。冒頭に挙げたアーティストに代表される『豪華アーティスト、夢の競演』形式が増えています。海の向こうのメアリー・J・ブライジ&U2の「one」にいたっては、かたやR&Bの女王、かたやグラミー5冠のロックの王者、この豪華な組み合わせだけでも、ユーザーの財布の紐は緩みそう。もちろんこの“豪華競演”の垂れ幕には「勝ち組マスト」というローリスク・ハイリターンのビジネスドリームが大きく込められているという事実は否定できません。
一方、HIPなアーティストのクリエイティブなモチベーションから発信されるコラボはとっても素敵です。例えばHOTEI vs RIP SLYME「BATTLE FUNKASTIC」は、布袋寅泰の「BATT LE WITHOUT HONOR OR HUM ANITY」(※)とRIPの「FUNKASTIC」を合体させて1作品に仕上げています。この組み合わせの意外性以上に、J-POP史上例を見ないクリエイティブな新境地をメジャーシーンに投げた意味は大きい。これなんぞは自由と博愛のHIP HOP精神を立派に受け継いだ見事なコラボのカタチです。
また、以前カメダが見たm-floの武道館公演。LISA、BoA、Sowel…、次から次へとフィーチャリングの歌姫達が登場して素晴らしかった。でも、それ以上にブッたまげたのは、優秀なトラックメイカーとMCさえいれば、ボーカリストが不在のユニットでも武道館を感動と興奮のるつぼと化すことができるということ。コラボ万歳〜 これは音楽の構造改革です。
いつからかチャートを賑わす「コラボマーク」もバラエティーに富んできました。伝統的な「feat.○○」が、昨年あたりから「×」にシフト。個人的には、m-floの専売特許「m-flo(♥○○」や“道場破り”の対決感を醸し出す「vs」表記も大好き。コラボユニットの名前は「誰とどんな風にコラボっているか」を視覚的にアピールする重要なキャッチなんですね。
最大の魅力はアーティスト同士の「繋がっている」感
さてここらで話を元に戻しましょう。ユーザーにとってコラボの最大の魅力はアーティスト同士の「繋がっている」感です。お約束でも、意外性でもいい、「お気に入りのアーティストが、クールな仲間と音楽で繋がる」…ユーザーにとってこんな素敵なプレゼントはありません。それにしても、いつから我々はこんなにも「繋がっていたい」と思うようになったのでしょう? 携帯、メール…誰もが今、「繋がってる」感が欲しくてたまらない。今年開催のWBC(WORLD BASEBALL CLASSIC)もそう。豪華選手の“繋がり”を謳ってスポーツをイベント化している。このように、数年前までは「特別」だった“豪華競演”が、今では「特別」ではなくなっているのですね。猫も杓子もコラボる時代。もっと刺激を〜もっと、もっと〜!この先にはいったい何が待ち構えているのでしょう!?
* 映画『キル・ビル』テーマ
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| Posted at 16:56
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