むかしむかし、あるところに
大きなお城に住み
大きな王冠をかぶり
態度まで大きい王子様が住んでいました。
たくさんの国民
たくさんの兵隊
たくさんの召使い
すべて王子様の言いなりです。
毎日おいしいものを食べて
好きなときに遊んで好きなときに昼寝します。
たくさんの国民
たくさんの兵隊
たくさんの召使い
たくさんの人たちにかこまれているのに
なぜか王子様はいつも一人ぼっちでした。
王子様にはわかっていました。
みんながいうことを聞くのは自分が王子であるからだと。
陰でひそひそと王子様の悪口をいうものもいました。
王子様にはそれもちゃんとわかっていました。
遠くで女中たちがなにやらこそこそと話しています。
大臣は今日も作り笑顔でゴキゲンをとります。
だから王子様は今日もしかめっつらです。
王子様なんて楽しくもなんともない。
王子様はいつもそう思っていました。
つづく。