日が傾いたKスタ宮城の内野スタンドで、CM撮影はスタートした。父・博さんとビールの入ったグラスを傾けた田中は、マウンドとは違う息子の表情を浮かべた。
田中は地方ローカルも含めると、現在まで8社のCMに登場。全国ネットとなると大塚製薬の「オロナミンC」を皮切りに4社目の出演となる。今回はアルコール類のCMランキングでは業界No・1というキリンビールブランドのCMで昨年5月、俳優の松本幸四郎・市川染五郎親子から始まった「親子の絆(きずな)」をテーマにしたシリーズ第4弾となる。
キリンビール広告PR事務局は「フレッシュなイメージを持ちながら、国内のみならず国際試合でも活躍を続ける田中選手。そして少年時代から精神、技術面で支え続けた父・博さん。そんな親子関係が理想的」と起用の理由を説明。台本、演出なしの“素の親子の会話”の撮影終了後、ほろ酔いとなった田中は「ここまで面と向かって話すこともなかったしいい機会だった。お酒を飲むことによって普段言えない“ありがとう”を言えたりする」と感慨深げ。一方では共演に戸惑い気味だった博さんに「お父さんですけど、上から言わせてもらうとまだまだ。何点だったとか評価に値しない」とだめ出しするなど、親子漫才のような掛け合いを見せた。
国内現役では日本ハム・ダルビッシュの5社に及ばないが、人気の高さをうかがわせるCM起用。本業の野球もここまで8勝1敗、防御率1・24でダルビッシュの9勝2敗、防御率1・21に次ぐともに2位。リーグ戦再開となる26日、オリックス戦(京セラドーム)の“開幕投手”に向け、この日はCM撮影前にキャッチボール、ランニングなど軽めの調整をした。
CM本数、成績とも“アニキ分”のダルビッシュを追走する息子に父・博さんは「CMの本数はな。野球でな」とエールを送れば、田中も「まあ、そうだね」と赤く染まった顔でうなずいた。CMで実現した親子の乾杯。次はCS進出、日本一でかなえる。